戦略コンサルによる転職ブログ

旧シャイニング丸の内日報、コンサル転職・成長意欲が高い方向けの転職情報



紳士靴バイヤーが教える、メンズ新社会人、中堅向け「最強の革靴選び」

ツイッターではブログの更新情報のみならず経営・コンサルに関するコメントを積極発信しています

メンズ・紳士靴には不思議な魅力があり、履くための靴ならば2万円程度の靴でも必要条件は満たすのにもかかわらず、20万円の靴が売れ続けているという市場もあります。この記事では見た目が全体的に気になりだしたが、革靴に関して選び方、手入れの仕方などをまともに勉強したことがない方を対象として、短時間で一通りのことがマスター出来るために書かれています。

記事の執筆者は大手百貨店で長年靴のバイイングおよび販売に携わってきた者ですので、普通では知り得ないブランド裏話や知識を含めて書いていきたいと思います。

まともな革靴を選び、履きこなすことの意味

靴選びや手入れにどのようなイメージをお持ちでしょうか?靴なんてどれも同じ?靴磨きはマニアだけのもの?いえいえ、そんなことはありません。

靴の選び方、手入れをしらない怖さ

適切な靴な選び方を知らないということは知らず知らずのうちにホテルのレストランにTシャツ短パンで行くようなことを気づかないうちにしているかもしれないということを意味しています。

重要な顧客にプレゼンに行くことになりました。相手は重役クラスです。さて、次の2つのうち、どちらの靴が適切でしょうか?

f:id:shiningmaru:20170715095126p:plain

f:id:shiningmaru:20170715095054p:plain

これは好みの問題ではなく、実は靴のフォーマルさには明確なルールがあります。こういったルールをしらないということは非常に恐ろしいことなのです。

町中や電車で↓このようにスーツに身を包みつつもボロく、また場違いな靴を履いている人の割合の多さには靴に携わる身としては残念でなりません。

Image result for ダサい 革靴

紳士向け革靴を履きこなし、大切にすることの素晴らしさ

靴にハマるとどのような素晴らしいことがあるのでしょうか。ブランドの歴史、ストーリーや製法の特徴、使われている素材についてよく知り選んだ靴は買った瞬間、履いて外を歩き回るのが楽しみになります。

素晴らしいと自信を持って選び、丁寧に手入れをした靴に足を包まれ重要なシーンに出かけると足から自信と安心感がみなぎるような気分で毎日を過ごすことが出来ます。

私の感覚では高級時計に似ているかもしれません、一緒にいるひとに「俺は金持ちだろ」とギラギラ見せつける時計は下品なものですが、朝部屋を出る時に気分やシーンに合わせた時計を選び、腕に巻くと自信と安心感を与えてくれます。そしてそれは数年間、時計であれば数十年と1つの時計と共に過ごすことにより体験の素晴らしさは薄れていくどころかよりいっそう味わいの深いものになります。

靴の場合、買いたてではなく、足に靴が馴染み革に深みが出てからが最も美しいとされるので靴を育てていく喜びも味わう事ができますね。

 

f:id:shiningmaru:20170715100947p:plain

スーツは男の戦闘服、それ自体素晴らしいものですが靴がしまらなければ台無し。上から下までばっちり決めていきましょう。

巷に蔓延るweb記事、書籍との違い、実践的かつメーカーの思惑一切なし!メンズ・紳士靴入門

本記事の著者である私は長年メンズ・紳士靴の販売・バイイングに関わってきました。紳士靴を学ぼうと思えば書籍はいくつかあるのですが、そこにはいくつかの問題点もはらんでいるのです。

多くの場合はしっかりとした冊子の場合は極端にマニアすぎるし、「紳士靴入門」系の本は極端にへんてこな靴の紹介をしているのです。(ましてや靴を磨き方の章では、信じられないような磨き方もしているのです!)

これより以下の2点に留意をしながら、本記事を書き上げていきたいと思います。
・メーカーのセールス文句とは一線を画す、毎日大量の靴と足を見る中で蓄えたノウハウ

・実際に紳士靴のバイイングに携わり業界の裏事情も把握
・網羅的に知識を書くだけでなく、このnoteを一本読むだけで即座に靴の選び方が変わる

web記事は、靴マニア、バイヤーの視点からすると正直言って何も分かっていないライターが書いたとんでも記事が多いです。web記事がとんでも記事が多い理由ですが、webの無料記事とは何もサービスで誰かが書いているわけではなりません。商品の購買につなげてアフィリエイト料金を得たいというインセンティブで書かれているため、フィッティングが極めて重要な靴という製品であるにも関わらず「通販で買ってしまいましょう」と言ってECに誘導したり、粗悪なアフィリエイト料金が高い謎のブランドを訴求していることがよくあります。1人のバイヤー、靴好きとして間違った知識がはびこっていくのは残念でなりません。

正しい靴選び、手入れが出来ている割合は3%!?

自分の感覚的には電車の中で多くの人の靴を見渡してみても100人中3人ぐらいしか、しっかりとした靴の選び方ができておらず、紳士靴を愛してやまない自分としては、とても悲しい気持ちになります。

そんな皆様にももっと紳士靴の世界を知ってもらいたく、そして紳士靴によってよりよいライフスタイルが送っていただければと思いこの記事を書きました。

本稿の目的は大きく3点あります。
1.しっかりした靴を選ぶべき理由
2.シーンに合わせて靴を選べているのか(靴にはどんな種類があるのか)
3.どのようにして靴を磨けばいいのか

実践も込めてこの紳士靴の知識を自然な流れで知っていただきたいと思い、今回は二つのケースを使って解説していきます。

 

ケース1:新社会人向けの靴選び入門

「年収400万円の今年入社の新入社員。仕事は商社マンで外をかなり歩き回る仕事になりそうだ。先輩からは靴は3足ぐらいは持っておいたほうがいいと言われたもののなにを選べばいいのかわからない。社会人にもなったことだし1足3万円ぐらいの靴を買いたい。」

ケース2:中堅社員向け一段男を上げる靴選び入門

「年収800万円の大手企業社員。ボーナスも120万円ほどもらえるようになり、もう少しで課長の席も見えてきている。スーツは8円ぐらいのものを買うようにはなってきたが、靴の中選び方がイマイチわからない。スーツにも遊びを出せるようになってきたし、そろそろ靴も10万円ぐらいのいいものを買ってみようかな。」

 

これらのケースに対して「結論としてこれを買うべき」というところまで敢えて断定的に意見を述べています。同時に、両方のケースでありがちな間違いについても言及しました。冒頭で3/100名ほどしか紳士靴バイヤーからすれば正しい靴の選び方、手入れの仕方、シーンに合わせて履き方が出来ていないので革靴について一通りの勉強をしたことがなく、なんとなく靴を履いているという方の実際はほとんどの方は間違っている。ビジネスシーンでも「この場でなんでウィングチップ?」など、靴を一通り勉強した人からすると間違った靴選びというのは大きな違和感を感じさせる要因になります。

 

靴が気に食わないから取引しない、「仕事が出来ない人は靴で見分けられる!」という意見は極端ですが、自分のポジションが高まるにつれ、スーツ、所作、マナーなどと並び「まともな靴を履いている」ということはビジネスマンとしては当然求められることになってきます。過剰に派手な靴だったり手入れが行き届いていなかったり間違った手入れをしていたりする靴でビハインドを取らないように新社会人、新入社員のあなたも、ポジションがあがり中堅として部下に格好つけなければならないあなたも、この記事で一通りの知識をつけていただき、97/100から3/100の靴をしっかり履いている人の仲間入りを果たしましょう。

Note1冊で全ての知識をカバー

靴の形状から選ぶべきブランド、手入れの方法までを解説

ウィングチップ?ストレートチップ?プレーントゥ?て何?という方は注意が必要です。スーツに例えれば葬式にギンギラの光沢スーツを着ていってしまっているような場違い、フォーマルなデートなのにTシャツ短パンのような場違いである可能性があります。

靴はスーツほどわかりやすくはないですが形状によって明確にフォーマルさというものが別れており、この場にはこの形状というものがルールとしてある程度決まっております。これは見るだけで感じ取れる人は稀(ほとんどいない)ので学ぶ必要があります。ルールですから。新入社員のうちはまだ許されるかもしれませんが、中堅以降となるとそうもいきません。早めにルールを学び、間違った靴選びを防ぎましょう。

無駄に高い靴と本当に高品質で高い靴を見分ける

いい靴がある程度高いのは確かです。革製品や加工の複雑さからある程度は原価と品質は比例します。実際の原価率については記事中で解説しております。

ここで注意すべきなのは無駄に高い靴ですね。無駄に高いとは加工にも金がかかっていない、さしてよい革も使っていないがデザイナー名の冠だけで高くなっているような靴です。

ファッションなので、ブランドをアピールしたいという思いがある方もいらっしゃるとは思うものの、そもそも靴のブランド名は多くの場合外から判別不能です。ブランドロゴが入っているわけではないですし、よほど例外的な場合を除いてはあきらかにブランド独自の形状というのは珍しいです。

f:id:shiningmaru:20170709121239j:plain

berluti shoes photos

 ベルルッティやコルテはわかりますがビジネスシーンしとしての利用は適切ではないですよね。ブランド名が自分しかわからず、高品質でもないため長く持つわけでもない靴には特に意味はありません。

ちなみに言うとブランドロゴなどがバックルになっているベルトやブランドロゴ全面押しのバッグはありますが、ファッションとしてはダサいものに分類されることは知っておきましょう。あれを見て「素敵!」なんて思われません、ダサい、そしてそういうチョイスをしてしまう人はむしろ性格悪そうなんて捉えられることもありますので注意が必要です。

総合的なコストに対するパフォーマンスを考えるとどのブランドが無駄に高い靴であり、逆にどのブランドが高コスパ靴であるかもこの記事の中では解説しています。

正しい知識を学んでいくことで正しい靴選びが出来るようになるとは何も形や色だけの問題ではないということですね。

ソールて何?レザーソール=良い、ラバーソール=ダメ?

記事中で詳しく解説しますが、靴の履き心地はソール(靴底)によって大きな影響を受けます。大きく分類すると革を使った伝統的なソールであるレザーソール、ゴムを使ったラバーソールがあり、それぞれ長所短所があり、一概にどちらがよいというものではないのです。

レザーソールの欠点を補うため実はラバーソールと複合的に使えるように後から靴を加工しなおすという方法もあり、これもあまり広くは知られていないものですね。

特にレーザーソールに関してはその特徴をよく理解していないと高い靴を買ったのに、滑るし痛みは早い上に穴が空いてしまい2年しか持たなかった、なんて事態になりかねません。

ソールの特徴とそれぞれの欠点の補完の方法を知りよりよい靴選びをしていきましょう。

国の特徴、ブランドの特徴を把握しながら靴を選ぶべし

イギリス靴、イタリア靴の違いはわかりますか?軽くネット記事を見てみたところ「おすすめの靴ランキング!」のような雑な記事が非常に多く、1人の靴を愛する消費者としてとても残念な気持ちになります。靴のブランドはそれぞれデザインや加工の特徴があり、1位!XXなどと雑にやれるものではないのです。

そもそも同じランキングで1位リーガル、7位:エドワード・グリーン(イギリスのちょ高級靴)なんてあるものだらけで全く当てになりません。必要なのはそれぞれのブランドの特徴を把握し自分にあったものを見つけることです。この記事中では自信を持ってバイヤーがおすすめできるブランドまで解説しています。当然アフィリエイト目的ではないので本当におすすめのものしか記載していませんので間違いないものです。

 フィッティングは超重要!

どんな素晴らしい靴も靴ずれしてしまったり、ゆるくてカパカパになってしまっていては台無しです。履けません。大きくても小さくてもだめなわけですね。

靴は特に試履が非常に重要になってきますが、うまくハマっている靴を見分けるポイントはいくつかあります。一言で言えば、土踏まずがぎゅっと靴に握られているような感覚になる靴がサイズがフィットした良い靴と言えます。逆に甲があまりに浮いていたり、小指が点で当たっているため痛くなりそうだったり、くるぶしがあたっている靴は注意が必要です。

どんないい靴もなくては台無し、靴磨きと普段の手入れ

雨の日も晴れの日も同じ靴を履いて特に磨いたりしてもいない?もしくは汚れたと思ったときだけミスターミニットでシューキーパーなにそれ?

こういった方は高確率でブヨブヨで艶のない靴を履いていると思います。特にシューキーパーなにそれ、の場合は革靴にとって致命的にダメな状態が続いていると言えます。

どれほどよい靴を買ったとしても普段の手入れが十分に行き届いていなければボロ靴の1つと確実になってしまいます。最高の靴に最高の手入れをほどこすことにより、うまく使えば5-10年使える味わいの深い靴となります。

靴は買いたてではなく革が足に馴染んできた1年後くらいからが最も美しいと言われております。ここに持っていくためにも最高の手入れは絶対に必要なものです。この記事で靴の選び方から買うべきブランド、逆に避けるべきブランドを知り、最後に手入れの知識まで学び靴において絶対の自信を手に入れて頂ければと思います。

本書で靴の世界を知り、やがて最高の一足を

このnoteは年代別に入門編を主なターゲットとして書かれています。特に新社会人の方はこのnoteを参考にしていただき最初は4,5万円の靴をまず一足買ってみましょう。靴の世界へようこそ。この一足から全てが始まります。

普段とは朝出かける時の気分やミーティングで靴が見えるときの自信も違うことに気づくと思います。また、皺の味わいや手入れをする際の満足感も是非味わってみて下さい。

段々と靴が好きになっていくと20万円ほどする「最高の一足」が欲しくなっていくと思います。こういうものはいきなり買うのではなくだんだんと靴に対する知識をつけて、自分がどのような靴が好きか、どのような靴が自分に合うのかをよく知った上でエドワード・グリーン、コルテ、ジョンロブなどの最高級ラインを買ってみたいものですね。

逆によく知らない状態でボーナスが入ったからという理由で選んでしまったりすると普段では使えない形状や手入れの知識が不十分であるため完全に無駄使いしてしまうこともありえます。

今回は革自体の質を牛の年齢や同じ牛でもどの部位から取るかという少々マニアックな部分まで踏み込んで読みやすさを確保しながらも、入門としては十分過ぎるほどの知識を身に着けていただくことが出来ます。

すべての詰め込んだnote!

note.mu