PPAPがグローバルギャグコンテンツとして成功した理由
シャイニング丸の内をフォロー
こんにちは、シャイニング丸の内です。最近は仕事がやたらと忙しく中々記事書けませんでしたが知人があまりにPPAPにハマっていたので少し考察してみようと思います。
こちら以前書いた「ポケモンGO流行理由」について少し似た所があると思っています。
共通点としては「深みはそれほどないシンプルものが世界的にバズっている」ということです。現在の祭り状態は突然現れたものではなく、本人のインタビューなどを聞いていくと確かなステップがあることが分かります。整理すると多少順番の前後はあるでしょうが次の通りかと思います。
-1.初期のほのかな人気
+ コネによる人工ブースト
+ 中高生からの人気
-2.コピーの登場
+ コピーしやすさ
-3.強力なインフルエンサーのピックアップ
+ 9 gag掲載のラッキーショット
+ Justin Bieber
-4.日本国内での再起爆、パロディの登場
+ death note、インド版PPAPなど
+ 文字でのパロディ
-5.祭り状態
+ 流行に乗っていること自体が面白い
順に何が起こっていたかを見ていきましょう。
初期のほのかな人気
絶大にバズっているコンテンツも最初のほうは限定的な人(コアなターゲット)が仲間内で面白がっているコンテンツです。また、いくら面白くともまず発見してもらわなければバズにはつながりません。そこで初期に重要になってくるのが初期アンバサダーおよびコアなターゲットです。
初期アンバサダーは少々の影響力を持ち、お願いすればコンテンツを拡散する人のことです。これは今回、彼が元々持っていた芸能界での仲間達です。知り合いのミュージシャンなどが初期PPAPを拡散しました。これは思わぬ所で人気を呼びます。
今回のコアなターゲットは中高生でした。彼ら彼女らのクローズなコミュニティにおいてPPAPが流行を開始します。自分が中高生のときを振り返ると中高生時代というのはかなり閉鎖的なコミュニティであってせいぜい部活、クラスのコミュニティという非常に狭い範囲でコミュニティが形成されています。この閉鎖空間の中で一定割合以上がPPAPを知りだすと途端に狭い範囲内で大流行となることが出来るでしょう。
コピーの登場
中高生はせっかく手に入れたおもちゃを見ているだけでは飽き足りません。大好きな動画投稿サイトでコピー投稿を開始します。オリジナリティの高いパロディは中高生を作り出す能力がないのでコピーがまず発生しました。
ここではPPAPがコピーしやすいシンプルなものであったことが功を奏し、コピーが広がったためコンテンツとしての寿命が伸びます。
3.強力なインフルエンサーのピックアップ
さて、ここまでは国内の中高生を中心に流行しているそこそこ当たったコンテンツです。グローバルなコンテンツとなったきっかけがグローバル面白コンテンツサイト、9 GAGへの掲載です。
ここは何故取り上げられたかよく分かりません、ぶっちゃけこの飛躍は運が大きかったと思います。もしかしたら誰か英語を話せる人が偶然9 GAGへ連絡し、偶然取り上げられたのか、サイトを見てみると結構アジア系コンテンツもあるのでyoutubeを常にウォッチしているキュレーターがいたのか、ここはわからないですね。
ただこれがグローバル化のきっかけとなり、有名なJustin Bieberのtweetが呟かれます。
My favorite video on the internet 😂😂😂😂😂😂😂😂
— Justin Bieber (@justinbieber) September 27, 2016
いよいよグローバルギャグコンテンツとなってきます。
4.日本国内での再起爆、パロディの登場
日本での流行にありがちですが、ポケモンと同じく海外でバズっているものには日本人は弱いです。電通様が企画した宮崎県小林市の動画においても同じ手法が取られました。
こうなると中高生という初期のコアセグメントの範囲を大きく超え日本全体も流行状態になります。
ここで既にグローバルギャグコンテンツとなっているわけですが更なる飛躍を遂げます。それがパロディの登場です。様々なクリエイターがやたらとコンテンツ力が高いパロディをネットに投稿を開始しました。
企業までマーケティング用途に使い始め一定の効果を出しているようです。
5.祭り状態に突入
ここまで来るとPPAP自体大して面白くないと思ってた人(ほとんどそうじゃないだろうか)でもコンテンツが面白いではなく「流行に乗っていること自体が面白い」というフェーズに突入します。ポケモンもそうではないでしょうか、正直ゲームとしての完成度は低く面白くないと思う人も多いでしょうが、祭りに参加していること自体が価値なのです。
まとめと将来性
成功要素としては
・初期アンバサダーの存在
・コアターゲットの存在
・コピーの容易さ
・偶然のグローバル飛躍
・パロディの登場
という要素を備えながら偶然を辿ってここまでのコンテンツとなったと考えています。
ピコ太郎さんおよび将来性ですが、本人も既にされている通り
・流行中に可能な限りマネタイズする
・残ったアセットを使って粛々と生きる
という方針になるかと思います。今ならTシャツなどオリジナルグッズ、関連商品を発売し普通のチャネルに乗せればなんでもそこそこ売れると思います。とにかく流行は一時的なものなのでこの波を最大限活用する。
次にさすがにPPAPがずっとヒットすることや今回の現象からフレームワークを生み出し次もヒットコンテンツを飛ばすのは難しいので、残ったアセット(知名度、コネなど)を活用し粛々と収益を上げていくという流れです。一発芸人などは地方の営業で寿命長く儲けていたりしますよね。
何故かピコ太郎について2500文字も書いてしまった、私も何か当てたいな。