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転職のお手本、34歳、輸入車メーカーから医療系人材会社への転職

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こんにちは、投稿記事第二弾です。前回の塾講師から外資ITコンサルへ転職された方の事例を取り上げた記事を書きました。今回は輸入車メーカーから医療系人材会社へ転職したH氏の事例について取り上げます。それでは見ていきましょう!

(前回記事)

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H氏とは?:30代後半、4社目、年収900万円

私は30代後半、男性です。新卒から9年間ほど某大手人材サービスに所属、某輸入車メーカーにセールスとして配属。その後本部マーケティング業務を経験した後、医療系の人材会社に転職という経歴です。

現在はTech系の会社にてデジタルマーケティング領域でHRプランナー職としてマネジメントしています。

大学卒業して16年強、経験4社目。地方出身のそこまで指名度も高くない学卒で年収900万程。

決して自慢できるような華々しい経歴を有しているわけではないですし、同年代の大手に勤めている方に比べ年収が高いわけでもないと思っています。

ただそんな私の転職経験をもとに、転職や仕事選びの際の考え方や心構えなどを少しだけお伝えしていければいいかなと考えています。

 輸入車メーカーから何故医療領域へ?

経歴が多岐に渡りますので直前の医療系人材会社に入職した経緯を中心にお話させていただきたいと思います。

前々職の輸入車メーカー時代にはセールス職・マーケティング職として実績を積んでいましたので、正直なところ特に「転職」ということは考えていませんでした。

そのような中、転職を考え始めるきっかけは長らくお付き合いいただいていた顧客の先生(医師)からのお話だったかと思います。

医療業界の人材採用難や診療報酬制度による収益減算、業界体質などのお悩みなどをお聞きし、当時とても気持ちがザワついたことを覚えています。

先生は学会などでもご権威でおられ誰よりも医療への熱量が高く、私などにも懇意にしてくださるようなご人格者でした。その様なお方からのご相談でしたので私の心に深く刺さりましたね。

もともと過去に人材ビジネスで顧客の課題解決に携わっていたこともあり、自動車業界では目の前の方々のお悩みを何も解決できないという状況に段々と違和感を持つようになっていました。 

当時34歳、妻子持ちで仕事もほどほどうまく行っている環境で特に会社を辞める理由もありませんでしたし、もちろん周囲は大反対でした。

ただ逆にいうとそこまで大した学歴を持っていない私にはその時点で先が見え始めていたことも事実でしたので行動に移していきました。

入念に医療業界の情報を調べ転職の準備 

半年以上かけて医療業界について情報を集めた結果、人材以外にも多くの解決すべき課題が山積みであることや自身が関わっていきたい分野が見え始め、その戦略が実行できそうな会社とのコンタクトを取り始めたことが具体的な転職活動のスタートでした。

 

年齢・経験・保有資格・先生方との人脈など制約条件や武器を精査しながら、現実的に希望や想定される条件などと睨めっこという状況でした。

 

実際に考えていることを実現させるとなるとある程度のポジションでの入職が必要でしたので、オープンポジションや非公開求人の情報も収集していくために紹介エージェントを活用させていただきました。

業務の合間で行う活動に時間的な制約が多く、大手人材会社R様には情報提供から企業との交渉などで非常にお力添えをいただきました。

 

当初なかなか人材会社のキャリアコンサルタントの方とタイミングが合わず困っていましたが、幸い気転の効く方が担当してくれていましたので問題を解決するのに時間は要しませんでした。

むしろこちらの勤務状況などを気遣って下さったり、具体的なアドバイスをくださるなど転職活動を通じてまるでチームが編成されていたような感覚でした。

 

オファーは役職採用での案件がほとんどで、各社の人事採用担当者も時間・場所問わず直接面会にお越しくださるなど頭が下がる思いばかりでした。

正直「ここまでやってくれるの?」という驚きがありました。

 

いろいろな会社からオファーいただき、お話を聞かせていただきましたが

・自社サービスに対して明確なコンセプトを持っていること

・顧客重視な営業姿勢であること

・ビジネスとしての相性が合うこと

この3点が決め手で、私が展開したい方針を浸透させやすい環境と体制もご準備いただける老舗のC社に心決めしました。

 最後の決めては情熱!

業界では大手参入後シェアが流動化する中、当時C社は中の上クラスのポジションに位置付け。

ミッションは3年スパンで既存事業の立て直しと新規事業の立案。

報酬面は当時勤めていた会社の金額とほぼ変わらず。

社長と人事部長の情熱と勢いにやられました(笑)

 

ただずっとそのままというのは嫌でしたので、明確に売上予測と事業計画・マイルストーンを提示して

後々には実績で報酬上げていただきました。

もちろんお金以外の部分などについても私がC社に在籍していた間惜しみなくサポート下さりましたので総合的な満足度は高かったです。

おかげでC社にて私は大きな実績を残すことができ、次のフィールドに進むこともできましたので、とても感謝しています。今ではお互い良い取引先としての関係が続いています。

 

金にこだわり過ぎず、自分のスキルと実現したいことを冷静に考えるべし

最後にアドバイスという程のものでもないですが、転職活動の際の心構えをお伝えしておきたいと思います。

よく「自分のスキルや経験ならあと年収〇〇〇万は絶対欲しい!」と若手から漠然とした相談を受ける

ことがありますが、あまりお金にはこだわり過ぎないほうが良いと思います。

業界や会社規模、社内のポジションでその評価はまったく異なってきますので。

それよりも「そのスキルと経験をどう活かして何を実現していきたいのか?どれほどのマネタイズを提供できるのか?」ということの方が自身にとっても転職先の企業にとっても大切なことだと思います。

相手に何を提供できるのかを明示できない方に企業はまず投資しませんから。

 

逆に自身を査定してもらうくらいの気持ちでエージェント経由にて企業の反応を聞かせてもらうと

客観的な状況を把握しやすいと思います。

実際に思っていたより高評価なら検討すればいいと思いますし、キャリアプランに不足している点があるならいま明確にやるべきことが見えてくるはずです。

 

「何のために転職するのか?」をクリヤーにしてエージェントや企業担当者と密に相談しながら

今後活躍できる場所づくりをしていけば良い転職ができると思います。

 

転職は怖がらず、活動は焦らずにやっていきましょう。

そうすればそのうちあなたにとって最良な出会いが舞い込んでくると思います。

編集チームからの見立て

様々な観点から転職のお手本とも言える事例でしたね。そのポイントを見ていきましょう。

1.転職理由がポジティブ、情熱的

まずこれですね。ネガティブな転職の場合は現状の職場への不満が転職のドライバーとなります。この場合

・転職に焦ってしまうため、あまり気が進まない転職をしてしまう可能性がある

・中長期的な方針がない転職となるためキャリア構築を進めずらい

・志望動機がごまかしになるため、ハイポジションでの転職は困難

といったデメリットがありますね。本来転職はネガティブな理由では転職すべきではありませえん。成果が上がらなくて人間関係が悪化し逃げる、のではなくそういった場合こそ本来は踏ん張って成果を出すべきです(↓ダメ転職についてはこちら)。

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今回はネガティブな理由からの転職ではなく医療業界の課題を発見し入念な準備期間をもって転職することが出来たため納得の行く転職に繋がりました。

2.エージェントを使い倒した

難しい日程調整や交渉、このようなときこそエージェントを使い倒すべきです。我々エージェントの身からすると大変といえば大変なのですが我々が避ける候補者というのは「自分の価値を過剰評価している」「レスがない」「紹介先に失礼」といった方々です。正直、我々を使い倒して頂いて転職が成功したときは悪い気分はしません。

そういった意味で必要なときは「悪いかも」なんて思わずにエージェントを頼りましょう。我々は決定が出来ないとフィーが発生しないため、決定のために必要な努力は惜しみません。

3.条件にこだわりすぎない

特にこれが素晴らしいですね。やりたいこと優先で最終的な決定も情熱に押されてです。まさに転職のあるべき姿。これまで様々な方を見てきましたが条件にこだわり過ぎる人はあまり活躍出来ていません。

その理由を考えてみれば明らかですが、一流になるためには自分の業務に強いこだわりが必要です。何故この仕事をやるのか、必要なのか、そこまでやる必要があるのか。このときに「この仕事をやれば給料が上がるかも」という考えでは一流の仕事は出来ないんですね。なぜなら一流の仕事と外部から評価されるのは如何にその仕事があなたの給料に貢献したかではなく他人の約に立ったかになります。

この細かな差の集積は大きな差となって現れます。業界で一流になっている人に仕事に取り組む理由について話を聞いてみると、自分のやりたいこと、今やっていることについて間違いなく生き生きと話ます。これは仕事(=取り組んでいること)が自分のやりたいことと一致している状態だからですね。いやいや仕事をやって高いパフォーマンスというのは困難です。

プロフェッショナルとして仕事をするのであれば安すぎる仕事を受ける必要はありませんが、例えば100万円程度などの待遇の違いで職業を選択することは不幸なことです。

自分が何がやりたいのかを明確にし、転職や仕事に取り組むと結果は全く異なるものになるでしょう。