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転職回数が多い人を採用すべきか否か

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転職業界では基本的に転職回数が多い人というのは書類でNGを食らう代表格として挙げられます。1ペケ(キャリアの中で3年以内の短期離職が1回)ならまだしも2ペケ以上はほとんどの場合は書類NG人材であり、エージェントとしても支援を断ることがあるくらいです。支援しても書類NGが続き結局決定出来ないとエージェントとしては徒労に終わってしまうからですね。

そんな中、こんな記事を見ました。

blog.tinect.jp

転職回数が多い人を採用する、逆張り戦略です。この記事いわく転職回数が多い人を採用するメリットとは

・様々な会社を見てきた分、多くのことを知っている

・転職の度に転職市場に出るため自分の価値にセンシティブ

・日本の社会は転職にシビアなので周囲が採用しないのにスキルが高い人材がおりお買い得(逆張りです)

・不満を持っているならすぐ辞める、不満を持っているにも関わらず愚痴を言い続けてやめてくれない人がタチが悪い

とインタビュー中に登場する経営者は語ります。そして対比として20年同じ会社に勤務しリストラになってしまった人を転職回数が少ない人の例として取り上げ、会社の習慣に凝り固まってしまっている・スキルも人脈もない、と言い批判しています。

この経営者の言うことには一理ありますがさすがに雑にまとめすぎで誤解を招きかねないと思いましたので被せる形で記事にしてみようと思います。

転職回数が多いと嫌われることに合理性はないのか

「転職回数が多い」ということだけからは実は多くのことは分かりません。ここでは転職回数が多い人の中でも2種類おり、分けて考えてみることから始めましょう。

1.自分の腕一本で生き抜く覚悟があるプロフェッショナル

2.他責主義で嫌になったらすぐ辞める人

1の人らは特に外資系に多いです。外資系キャリアの人らの職歴を見ると40前後になって社歴1社という人はかなり稀で、50歳まで1社に居たら天然記念物と言われるほどです。この人らこそ引用した記事の中でインタビューされた経営者が言っているような人ではないでしょうか。もちろん採用しても特に問題ありません。

高い倫理感と成長意欲を持ってプロフェッショナルとして働き、自分のパフォーマンスが出ていないと感じたら自ら退いていくような人でしょう。

問題は2のほうですね。基本的に他責主義であり自分のパフォーマンスが上がらなければ環境が悪い、努力しない、辞めるというサイクルのため短期離職を繰り返しているという状況になっていきます。不満だったらすぐ辞めてくれることが良い、とは言うもののパフォーマンスが上がる確率はかなり低いのでもはや最初から採用しないことが最も

正しい採用戦略と言えます。

新しい仕事は最初は思い通りに行かなくて当たり前ですし、不満の一切ない職場もありません。そのような点に折り合いを付けながら仕事をし、現実的な範囲で最適な環境でパフォーマンスをあげていくというのは常識のある大人としての行動です。

そして前提として1の人口と2の人口を比較すると圧倒的に2のほうが多いです、これがそもそもジョブホッパーは採用するなというのが一般的であり、現在もその風潮に変化が起きていない理由ですね。

短期離職繰り返しても大丈夫・・・じゃない!

そんな人いないかもしれませんが、引用記事だけから判断すると「短期離職繰り返してもいいじゃない!」と思ってしまうかもしれません。全くよくありません!

一度転職するなら少なくとも3年、自分の中では5年はその場で仕事をするくらいの気持ちで転職をするべきでしょう。