転職エージェントが教える本気の転職エージェント比較
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こんにちは、人材業界で長く経験を積んできた編集チームのTです。私が人材業界におりプライベートでも頻繁に転職相談を受けます。よく聞かれる質問の一つに「転職エージェントはどこがよいのか」があります。
世にどのような情報が出回っているのか調べるため「転職エージェント 比較」で調べてみると非常に浅い情報しかないことがわかりました。そこで今回は一般的な転職の際に「どこのエージェントを使ってどのように転職活動を進めていくべきか」をまとめるための記事として書いていきます。対象は主に首都圏総合型(リクルート、DoDAのようなエージェント)とし、業界・職種特化型は別の機会に書いてみます。
転職市場内での自分の扱いと自分に合ったエージェントの選び方を解説
最初に転職活動の初めから終わりまでのステップを分解していきます。
1.自分が転職業界でどのようなセグメントなのかを把握する。業界/年収/年齢/業種で大体セグメントが分かります。
2.自分のセグメントに合ったエージェント、サイトに複数登録。
3.2-3ヶ月かけながら選考を進めていく
4.詳細を交渉し内定
5.現職退職
このような流れになります。今回の記事で主に解説するのは1,2ですね。
まず1についてですが転職エージェントの中にはいくつか種類があります。まず分けるべきは総合系とブティック系。総合系はいわばデパートです。よほど特殊な求職者でない限り総合系が全く対応出来ないということは少ないでしょう。ブティック系は特定領域に特化しその特定領域に限定すると総合系を上回るサービスを提供するスタイルです。少人数型が多いので玉石混交になってしまいがちですが良い会社、エージェントと出会うことが出来れば一度の転職にとどまらない長期的な付き合いとなる可能性もありますね。
さて、本論に戻り「1:自分の転職市場での立ち位置を把握」していきましょう。
重要なのは年齢、年収です。新卒は除いて考えると若い順に次のように整理されます。
1.第二新卒(25-28歳)
2.一般的な転職(28-35歳)
3.即戦力、専門家としての転職(35-60歳)
4.シニア転職(60歳以降)
また、どの領域でも年収が800万円超えてくるあたりから総合系エージェントよりもエグゼクティブエージェント(高収入専門、専門性が強い、経営に近いなどの求人を扱う)が得意になって来ます。
まずは年齢 X 年収という分類で自分がどこにいるか把握しましょう。図で整理すると次のようになります。
縦軸は年齢、横軸で800万円未満・以上で分類しています。 箱内部の1ではにキャリアを構築していく上でフェーズごとに重要なこと、2では転職の際使うのが適切なエージェントのタイプを記載しております。
縁故はどこの箱にも有力な選択肢として当てはまりますのでここでは省いてます。また4は特殊過ぎる世界なのでこちらも省いています。
この図で言いたいことは
・赤枠で囲った「総合系が当てはまるゾーン(1,2の年収800万円未満)はまず大手総合系3-5社は問答無用に登録」
・800万円以上になったらエグゼクティブエージェント
ですね。
ちなみに年収2,000万円超えてきて業界内でもちょっとした顔になってくると上位エグゼクティブエージェントや経営人材特化ファームから仰々しい手紙が送られてきたりします。リクルートエグゼクティブエージェントなんかは筆字で送ってきます。この世界に来るともう下の世界には落ちていかなくなり、一段抜けた感覚があります。
それではそれぞれ詳細に解説していきます。
比較は無意味、総合系を使うべきゾーンの人は問答無用で5社は登録!!
これ声を大にして言いたいのですが総合系を使うべきゾーン(1,2の年収800万円未満)の人は大手総合系には迷わず登録しましょう。DoDA、リクルート、マイナビ、エン・ジャパンの詳細な比較なんていりません。使うのは無料ですし、複数同時並行で使うのは一般的なので詳細に比較して慎重に登録する必要は一切ないわけです。
もちろん多少時間はかかりますが一生を左右しかねない「転職」、適当に決めるのではなくなるべく多くの選択肢から正しい判断をすることを強くお勧めします。
さて、それでは必ず登録すべき5社をご紹介します。
1.リクルートエージェント(リクルート)
2.DoDA(インテリジェンス、現在テンプと統合され屋号がパーソルになりましたね)
3.マイナビエージェント(マイナビ)
詳しくはこちらに
4.エン・ジャパン(エン・ジャパン)
5.@type(キャリアデザインセンター)
この5つです。それぞれ10年以上の歴史があり、数千~数万の求人を持っておりオペレーションも完成されています(注1)。
それぞれに対して求人数や強い領域、フォローの丁寧さなど比較したサイトもありますが、そもそも担当者によって姿勢がかなり異なりますので会社毎で詳細に比較することにあまり意味はないんですよね。
求人数も多ければ当然自分にフィットした案件がある確率が高まりそうなものですが一定数あれば、求職者側があまりにきつい条件を突きつけない限り数件は必ずどの会社でも出てきます。求人数が5,000件か8,000件のような比較はほぼ無意味です。全ての会社を回ってみてから考えましょう。無料ですので。
また、どの程度丁寧な対応されるかなんて事前に分かりません。担当者毎にかなり異なります。オペレーションについても業界内部で人が回っていたりする(そもそもキャリアデザインセンターはリクルートの人らがスピンアウトして作った会社)ので似たようなものです。
ちなみに、よく出てくる「非公開求人」というワードには騙されないようにして下さい。非公開求人というと・・・
・非常に人気があり、応募が殺到するのを防ぐためエージェントがいわば1次面接官として機能し面談に行った者のみが知ることが出来る
・重要ポジションのため社内にも隠す必要があり公開出来ない
のような想像をしてしまいがちでエージェント各社もそのように主張していますが非公開求人の定義は「自社の求人媒体で扱っていない」という意味です。「ちなみにこのポジションは御社のwebに出ていないですよね!」とか毎週確認したりするわけはありません。
自社の求人媒体に掲載されていないだけで会社のリクルーティングページのところに条件をどの程度詳細に書くかはさておき、普通に求人出ています。これがほとんどのケースで上で書いたみたいなとっておきの案件だから非公開求人にしているというものは2割はないでしょう。下手したら1割切ります。このような理由で「非公開求人数」も気にする必要はありません。
また年収UP率等の数値も気にしなくてよいです。エージェントは年収の30-35%の成果報酬を企業から入社時に受け取る商売ですので年収は当然高まるような案件を案内します。
しつこいですが、上で列挙した老舗5社は問答無用に登録することを強くおすすめします。
総合系対象ゾーンの人は迷わず5社は面談してみよう
様々な転職エージェント比較記事ありますが私の主張をまとめると「エージェントや業界毎にフォローの丁寧さや年収UPの確率なんて異なるので鉄板5社はまず登録して使えるか否かは面談してから決めよう、無料なんだから」です。
転職という重要な機会、多少の手間がかかってもじっくりエージェントを選んでいくのが正しいのではないでしょうか。
次回は年収800万円以上の転職について書いてみようと思います。
実際のエージェントの使い方についてはこちらの記事を参照してみて下さい↓
注意書き1:エージェントにどこまで期待すべきか
エージェントも普通の人なのでカウンセリングとかはそこまで期待しないでください。よりよい転職を実現するためにも自分でキャリアの方針を定め、強みを主張し、どのようなポジションが欲しいのかを明確にするのは自分の役割です。