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高卒で就職し高い給与を得るには?アパレル業界4年目で年収500万円突破した事例

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今回は高卒でも4年目で年収500万円を突破しているアパレル業界でのキャリアインタビューです。

 

話を伺ってわかったポイントは以下の通りです。

アパレル業界のポイント

・流行を捉えるのは人それぞれの感覚、年数は関係ない

・身に付くスキルはアパレル業界に特化

 

高卒就職のポイント

・アパレル業界で働きたいなら早めな就職がおすすめ

・大手は年数や経験重視、企業によっては実力重視

 

 

高卒でアパレル業界へ就職

-- 経歴と現職の仕事内容を簡単にご説明頂いて宜しいでしょうか?

 

高校卒業後、現在のアパレルメーカーに就職し今年で4年目です。仕事の内容としましては、商品開発を行っており、入社1年半から開発のリーダーをさせて頂いております。

-- 高校を卒業後、どのようなきっかけからアパレル業界へ就職しようと思われたのですか?

 

もともと高校時代に現在のアパレル会社でアルバイトとして働かせてもらっていて、社員さんから「正社員として一緒に働かない?」とお誘いがあり、そのままこの会社に就職しました。

-- 大学への進学は考えませんでしたか?

 

家庭の金銭面の問題や私自身も大学で学びたいことがありませんでした。また、高校の同級生のほとんどが就職をしていたので、大学の進学は考えませんでした。

アパレル業界の開発って?

 

-- アパレル業界での開発とはどのようなことをされているのでしょうか?

 

洋服のデザイン作製を主に行っています。具体的には、次の流行りは何か、デザインに合う生地の素材や色、どこから仕入れるかなど、洋服作製に関わること全般を行っています。他にも流行を取り入れた小物の作製も行っています。



--開発は就職前である高校生のアルバイトの時から携わっていたのでしょうか?

 

高校生の時は雑務だけで開発に直接は関わっていませんでした。働いている社員さんに、「今の高校生で流行っているものって何?」など聞かれて答える程度でした。

 

- - 洋服の作製期間はどのくらいですか?

 

詳しくは企業秘密で言えないんですが、会社のトップの人から2~3か月など納期の期限を決められ、それに合わせて作製していきます。正直いつも時間がかつかつで、期限に追われて仕事をしています。

 

--レディース服の流行の移り変わりは早いと思うのですが、作る商品は毎シーズン違うのでしょうか?

 

確かにメンズに比べて、レディースの流行のスパンは短いと思います。当社では定番の人気の商品だけは次の年にも作製しますが、基本は新しい服をどんどん作っていきます。新しいものを作りださないと、流行に取り残され、他社に遅れをとってしまいますから。

 

- - 服のコンセプトやデザインはどのように決められているのでしょうか?

 

自社では一人で全てを決めるのではなく、チームで考えを出して決めています。チームには素材や色に特化して得意とされる方々がおられ、それを参考にみんなで意見を出し合って決めています。

 

-- 多人数で考えるとデザインを決める方向性など意見が対立することはありませんか?

 

対立はよくあります。ですので、リーダーの私が間に入り、円滑に作製が進められるようにしています。

雑談:チームには個性や自我が強い方が多いらしく、その都度誰の案や意見が妥当かを検討することに苦労するのだとか。

 

- - 洋服のデザインはどのような手順で考えられるのでしょうか?

 

初めは白い紙に頭の中のイメージをざっくりと書いていき、イメージがはっきりとしてくるとPCソフトのCADを使って設計していきます。



流行をとらえるのは難しい、実力に見切りをつけた人の転職先

 

-- 次に流行るデザインなどはどのように予測されているのでしょうか?

 

正直、流行は感覚で考えています。ファッション雑誌をみたり、周りの人たちをみて感覚を磨いています。また、自分の主観だけでは、流行を上手く捉えることができないので、知り合いと話し合ったり、色々な意見を取り入れて日々勉強しています。

- - 開発チームでは流行についてどのように話し合われるのでしょうか?

 

チームでは、流行を捉える感覚に優れている経験豊富な方がおられるので、その方を中心に考えていきます。

雑談 : チームの流行を捉える感覚に優れている方は、センスがズバ抜けているらしく、次々と流行を当ててきたらしい。その方は、長年ファッション業界に携わられておられ、数々の企業を渡り歩いているらしい。



-- やはり経験を積めば、ファッションの感覚やセンスは養われるものなのでしょうか?

 

長年やっていても力がつくのは一部の人だけだと思います。感覚が鋭い人だとすぐに流行を捉えられる人もいます。働かれていて、芽が出ず見切りをつけて辞めていかれる方も多いです。



-- 開発部を辞められた方はどのような職業に転職されるのでしょうか?

 

知り合いだと、服の販売や接客に行く方が多くいました。アパレル・ファッションが好きで開発で働かれている人が多いので、転職先でも洋服関係が多いです。

 

--  来春はどのようなファッションが流行ると思いますか?

 

私は感覚が鋭くない方なので自信はありませんが、デニム系のファッションが流行ると思います。昨年の夏にデニムのサンダルやスカートが流行ったので、冬や春先にも流れがくるのではと。前回流行ったものに少し、改良されたものなどが流行ったりするんです。

雑談 : 関係者の中には、透明なビニール生地が流行すると言っておられる方もいるらしく、流行を捉えるのは、やはり千差万別の感覚である。

 

洋服製作の裏方話

-- 売れ残った洋服の処理が問題になると思うのですが、シーズンが終わり余った商品をどのように扱っておられるのでしょうか?

 

基本は余らないように作っています。絶対に売れると思う商品だけを多く生産し、自信がない商品は少なめに生産しています。それでも、余ってしまうものは、ボランティア活動として海外の衣服を欲している地域に送っています。

 

雑談:2割程度の洋服売れ残りは折り込み済みであり、売り上げにはさほど影響しないとのこと。

 

-- 洋服の生産段階で最もこだわっている所はどこですか?

 

生地にこだわり、品質の良いものを扱っています。生地にお金が掛ける分、開発チームの人数を最小限にし、できるだけ人件費を抑えています。

 

雑談 : できるだけコストパフォーマンスを維持するために、スカートであると表面と裏面で生地を使い分けるなどの努力をされているらしい。

 

--  どこから生地などを仕入れているのでしょうか?

 

その都度安いところから仕入れますが、海外からが多いです。生地は同じでも、仕入れ先によっても価格が大きく変わってくるんです。

 

雑談 : アパレル業界に携わっていると「この生地でこの値段!?」と驚くことが多々あるらしい。某ブランドでは1万円で売っている商品でも、生地やデザインが同じものが他ではより安く売られていることがよくあるとのこと。

-- 洋服のセールがありますがいつ買うのが一番お得なのでしょうか?

 

当社であるといつも低価格で提供していて、セールがないので欲しい商品が出品されたらスグに購入された方が良いと思います。中でも定番の人気商品ですとシーズンの終盤には、ほとんど売り切れてしまいます。

 

雑談 : セールのあるお店だとセールになる前に売り切れるので、正直インタビュイー 自身も予測がつかないとのこと。

-- 定番の人気ある商品がよく売れるのなら、新作より定番商品を多く販売することはしないのでしょうか?

 

新作が中心ですね。当社の方針として新作を作製していき、ファッションショーなどを通じて、自社製品の良さをメディアや個人消費者に知っていただきたいんです。また、定番に縛られると流行にも取り残されてしまいますし。

高卒でアパレル業界へ就職した人のリアルな年収

 

-- 今の会社で働かれて4年目とお聞きしたのですが、給料はどのように推移されていっているのでしょうか?

 

高校を卒業し就職後、はじめは年収190万円ほどで、入社して1年半後にリーダーになると残業も増えてその分年収も上がっていき、今では年収500万ほど頂いております



--年次が上がるにつれて年収があがるのでしょうか?

 

年収は年次ではなく、役職や個人の実力によって決まります。売れている人ですと具体的な数字はわかりませんが結構な年収になるらしいです。



--1年目の年収の190万円から現在の年収500万円の変化は大きいと思いますが、ご自身の生活に変化はありましたか?

 

私自身あまり物欲がなく、実家暮らしということもあり、年収が上がることによって生活が変化したことはありません。



--洋服の販売や営業であると年収が低いと聞くのですが、周りで働かれている方で不満は聞きますか?

 

周りの開発では不満は聞きません。しかし、販売や営業で働く方と話をすると、給料のことについての不満はよく聞きます。販売,営業ならではの洋服の買い取りが不満の要因になっていると思います。

雑談:販売員は売っている洋服を着ながらの仕事であるので、数着購入しなくてはならない。店員同士の洋服も同じものを着用してはいけないので、好みでない服を着ているとよく聞くんだとか。

 

アパレル業界でのキャリアは?

 

--今後のご自身のキャリアについてどのように考えておられますか?

 

特に仕事に不満がなく、今のところ転職は考えておらず、今はこの企業で仕事をしていきたいと考えています。周りでは「自分のブランドを立ち上げたい」と言う人もいるんですが、私にはその意欲はありません。



--開発で働いていると他社から声が掛かり引き抜かれる形の転職はあるのでしょうか?

 

引き抜かれて転職する人はあまり聞きません。転職が行きかう業界でも開発はないです。

 

--開発の業務に携わられていて、身に付くスキルはあるのでしょうか?

 

先ほど申しました流行を追う感覚や洋服を組み合わせるセンスは身に付くと思います。入社されて数年経つとみなさんの洋服の着こなしがガラッと変わっています。



--私見ですが、ファッション業界で働かれている方の服装は、一般的な着こなしの感覚からずれていると感じるのですが、ファッション業界でお洒落の基準はあるのでしょうか?

 

基準も人それぞれの感覚だと思います。モデルショーを観に行ったり、仕事で直接モデルの方とお話ししたりなどして感覚を養い、人それぞれの人の感覚になっていると思います。

雑談:モデルの方の仕事時の服と私服では全く違う人が多いらしく、仕事時のイメージが強く私服をみて意外に思うことがよくあるとのこと。

 

ファッションの開発に興味ある方へのアドバイス

 

--ファッション業界で働こうと考えられている方にアドバイスはございますか?

 

ファッション業界で働こうと考えられているのなら、出来るだけ早く入った方が良いと思います。身に付けなければならないとこも多いですし、業界で何年働いているのかが一種の名刺代わりになることもありますから。



--業界に携わっている年数は重要ということでしょうか?

 

全ての企業ではありませんが、大手だと年数や経験を重視する風潮は強いと思います。企業によっては、年数でなく実力を重視するところもありますが。

 

編集者まとめ 

 アパレル業界は給料面が悪いイメージでしたが、インタビューを通して開発では特に悪いといった印象を受けませんでした。むしろ粘り強く努力し成果を出して行けば高卒4年目、つまり大卒新卒22歳時点で500万円という給与はかなりよい方ではないでしょうか。

しかし、開発で長く続けられるかはその人次第で、業界ならではの感覚やセンスを磨き、突出した存在にならなくてはいけない厳しい世界であると感じました。

 また、業界では年数がものをいうため早く働いた方が良いとされる点と業務から得られるスキルが他業界で活かしにくい点。このキャリアを考える上で相反することから、早目の中長期的なキャリア選択を考えるとよいでしょう。

高卒でおすすめの転職方法

様々な方がいらっしゃる前提ですが、18,19歳で就職し、年収300-700万円の転職が中心という想定でアドバイスを書きます。

転職と年齢:28歳までに専門を決めよう

まず知っておいて欲しいのは短期離職は基本的に不利です。

今回の方も同じ会社で4年の経験を着実に積み続けたからこそ500万円を突破することが出来ました。

よほど会社がやばい状況でない限り2年程は在籍することをお勧めします。

2年以内の短期離職は1回程度であればなにか事情があった、で次の転職の際は片付きますが2回以上続くと言い訳が厳しくなってきて転職には露骨に不利となります。

まず就職した場所で成果を出すことが退職よりも優先度が高いと思って下さい。

2年以上在籍していても高卒の場合は就職が早いのでまだ20代前半です。

就職と年齢については様々な記事で書いております。

参考;

未経験から経理へ転職、メーカーの経理で年収1,000万円 - シャイニング丸の内日報

28歳までは基本ポテンシャル枠が多く、それ以降急激に縮小し、30代は経験者転職が基本です。

高卒の場合はポテンシャルで転職出来る期間が長いため、20代はじっくり自分が何を専門とするかを見極めるとよいでしょう。

大卒との差はどう考えればいい?

確かに大卒でないと採用しない企業が多く存在するのは事実です。

ただITのような実力さえあれば何でもいいという業界であれば大卒という肩書よりも圧倒的に実力が重要です。

その肩書に何の意味もないことは大学を経験した大卒者たちはよく知っています。

高卒だから、といって諦める必要は何もありません。

よほど歴史のある大企業を除いては積極的に書類を出すことをおすすめします。

おすすめの転職サイト

ニッチな業界でなければ年収300-700万円層は大手エージェントが多数の求人を持っています。大手4エージェントというのはリクルートエージェント 、Dodaマイナビエージェント パソナキャリアのことです。

ここは求人数がとにかく多いです。

最初はとにかくエージェントに会ったり転職サイトを見るなど情報収集に力を入れるとよいでしょう。