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ベンチャーに転職・就職で失敗しない。企業の見極め方法

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こんにちは、編集チームのT(人材)です。様々な人から「あの企業今大丈夫ですか?」「今業績いいですけど〇〇市場は衰退すると言われています、大丈夫でしょうか?」などの相談を受け毎回話している話を記事にしてみようと思います。

特に注意が必要なのはベンチャー企業への転職です。黎明期の企業なのか、成長期に入っているのかによってキャリアは全くことなったものになります。

事業には寿命というものがあり、何度も自己転換出来る組織は多くない

まとめのような一文を見出しに書きました。どの本にも書いてありますが、事業には寿命(ライフタイム)があります。その事業により収益が得られる時期は限定的であり、事業ポートフォリオを時代に合わせたものに断続的に続けていかなくては企業は滅びます。

一言でポートフォリオを動かす、と言いましたが図体が大きくなり様々なしがらみや労組に縛られた日本の大企業にとっては非常に難しいことです。そこにはリストラやカーブアウト(部門売却)、人事制度改革などタフコール(厳しい判断)の連続をくぐり抜ける必用があり日本企業にありがちな出世の最終ゴールとして数年任期のサラリーマン社長はそこまでリスクを取りたくないものです。

一応注釈ですが、大企業の社長の方々は極めて有能でビジョナリーで尊敬しております。しかし大きくなりすぎた役員会や利権にしがみつく年長社員まで全て動かすのは容易ではありません。ともすると成果が出るまでは罪人扱い仕事人生を終えることになるような事態となります。

強い覚悟の元、批判を浴びながらこの期間をくぐり抜けるのは雇われ経営者には難しく、中長期的な視点で経営が出来るオーナー経営がこのような転換期には強みを発揮する傾向が強いです。ファンド買収後の非上場経営もある種のオーナー(ファンド)経営なので転換期にはこのような劇薬が必用であることを示していますね。

少し長くなりましたが、企業は基本的には特定の事業と運命を共にしその企業の成長を押し上げた事業を切り捨て新たな事業へシフトするのは相当な覚悟ということです。このような改革を断続的に出来ているのが自己改革能力を組織内に持ったビジョナリーカンパニーと言えるような会社です。このような会社がフィーチャーされるということは多くないということを同時に示しています。

市場寿命別企業の状況解説

雑な図で恐縮ですが、ざっくりと市場は4つのステージで別れています。企業はM&Aで参入を除くと基本的には黎明期もしくは成長期に業界に参入し、その事業としては成熟期で売上が頭打ちとなり衰退期で売上減少フェーズに入るのが基本的な動きです(繰り返しになりますが衰退期のロールアップなどM&Aを除く)。

それではそれぞれの時期で企業に起こっている事を見ていきましょう。

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1.ベンチャー黎明期「みんなで泥の中を這い上がろう」

この時期には市場になるかどうか怪しいビジネスを本気で追求しているベンチャー企業とバズワードなので適当に参入している大企業がうにょうにょしている不思議なフェーズです。市場が十分に形成されていないのでベンチャーも業績は苦しい場合が多いですね。

ベンチャー側は社内の状況としてはまさにカオス、VCから大量の資金投入などがない限り役員陣含めみんなで貧乏しながら受託開発などでなんとか食いつないでいたりします。

大企業は適当です、そりゃそうです。この市場で自社事業が立ち上がらなくても業績への影響は無視出来るほど軽微なのでそりゃそうですね。立ち上がらなかったら死ぬベンチャーとは同じ市場に参入しているとは言え本気度合いは別物です(参照:野菜EC業界内のオイシックスとユニクロ)。自分らの関係ありそうでなんかバズワードだから担当付けたレベルの大企業の多いこと多いこと。

この時期のベンチャーに入社する場合は一か八かです。この市場の未来を本気で信じて最初の泥水フェーズをくぐり抜ける覚悟があるか。よくあるパターンを一応記載しましょう。

・市場が立ち上がる前に資金が尽きて死ぬ(いつか立ち上がることを夢見ながら)

・不平が貯まる泥水フェーズで組織を維持できず分解

・市場が立ち上がり適切なファイナンスを付けて第一人者に躍り出る(成功例、メルカリとかか)

3つ目になることを願いながら耐え忍びましょう。ここまで書きましたが相当熱狂しない限り入社はおすすめしません

2.成長期「まさにベンチャー!穴は多いが気にしない!」

会社が一番楽しいフェーズかもしれないですね、長かった泥沼を抜け売上が伸びる、契約が取れる、新しいニュースが毎週のように出てくる、競合が参入する、忍び寄る大手の影。これでこそベンチャーという時期を経験出来ると思います。当然未整備な部分だらけなので、この時期のベンチャーにはバックオフィスカオス問題などの部分がありますが、そんなことどうでもいいくらい共に成長を味わえるのは最高の喜びではないでしょうか。

会社が求めているのは即戦力、戦士です。進めど進めど先が見えない泥沼フェーズと異なり行動すれば結果が出るという状況は最高です、誰かの教育とかは後回しになりがちです。

このフェーズに入社するのであればその事業領域での経験があり、一人で戦える自信がある場合だと思います。それがあればこのフェーズは楽しいと思いますね、我々人材屋はそんな企業のお手伝いが出来、紹介した人が生き生きと働いている姿を見ながら密かな喜びを感じています。

このフェーズに飛び込むのであれば若手として入るなら28歳くらいまで、30歳を超えて行く場合はマネージャーとして入社すべきという点には注意してください。

3.成熟期「かつてはベンチャー?組織のオッサン化、残存寿命をよく見よう」

若者の活況と200%成長に溢れたベンチャー企業はとうの昔成長率は数%の成長や財務状況、コストなどに焦点があたり社員数も2000名を超える所帯になりました。知名度も高く勤め先を紹介しても知っている場合も増えてきました。上層部はかつての成長期を作った昔の勇者おじさんで締められています。

このフェーズに入社する場合は残り寿命の見極めが極めて重要です。寿命を見極めるためにまず重要なことが1つあります。それは利権です。利権に守られた事業は組織がくさろうがサービスがヘボでも生き残ります、というか利権に守られるとサービス向上を追求するインセンティブが働かないのでそうなりがちです。国に守られた強い利権がある組織とはNTT、JR、メトロなどです。これはその利権がどの程度強いのか、を見極めて事業の健全性を占いましょう。もし占いの結果自分は一生過ごせると思えれば入社してスキルなどを考えず過ごしていても問題ないかと思います。

最も20-30年という長期的な占いを成功させるのは非常に難しいのでスキルを身に着けないという意思決定はおすすめはしません。あまりにハイリスクです。

さて、利権がない場合はどうでしょうか。利権がない場合、もちろん業界によりますが1つの事業の寿命が自分の仕事人生のスパン(35年)を上回る場合というのは極めて稀なはずです。

ということは非利権会社へ入社する場合はその会社が自己変革型の企業であることを信じて一生働くつもりで入るか、転職前提に入社するしかありません。

最も自己変革型の組織である場合、あなたになんの価値もついていなければ切り捨てられることとなります、「卒業」なんて名目でバンバン外に出ます。つまり非利権型の組織に入った場合はほとんどのケースで自分が会社外でも勝負出来るスキルと経験をつけないと途中で失業するかひどい職につかざるを得なくなります。

具体的な社名だとリクルートがまさにここでしょうか。昔のベンチャー感は消え、大企業感丸出しです。

4.衰退期「もうワシは終わりじゃ」

基本的には入ってはなりません。なんの義理があってこれから有望な若者が死にゆく会社に入社するのですか。入って良いのは再生屋くらいだと思います。

今後日本ではかつては大手として知られていた大企業や金融機関が続々こちらのフェーズに入っていく状態となります(現状でもなっていますが)。

組織の状態としては逆ピラミッド、つまり上層部のオッサンがかつての利権にしがみつき下が圧迫されている状態に近づいていきます。そら、社員を多く採用する理由もなく上層部はギリギリ逃げ切れますから辞めない。そのような組織に必然的になります。

業務としては衰退業界での経験というなんとも役に立たない経験をプレゼントされます。大組織化しているので給料や福利厚生は充実しているケースが多いですがそのために将来の可能性という非常に大きなものを失っています。

簡単な判断方法としては

・市場規模が縮小している業界には行かない(縮小業界の中で頑張っている会社も基本的にNG)

・売上が減少傾向の会社へは行かない

これが基本です。

ベンチャーの場合、衰退期に入っているものは少ないですがなくはないです。例えばweb広告で売り上げを伸ばした会社は10年前はベンチャーど真ん中でしたが今となっては過渡競争が進むマーケットで敗退をしているかつてのベンチャーも多く存在します。

ベンチャー就職・転職するなら企業の見極め方を知れ!

長くなりましたが例外的なケース除いては基本的に入社すべきタイミングは成長期もしくは長い成熟期のいづれかです。黎明期は覚悟を持って入社する分にはOKですが、衰退組織は若者が入社する意味は本当にないと思っています。

「旅行が好きだから」「食品が好きだから」「この土地が好きだから」という趣味性を優先させて将来性を犠牲にしないように注意しましょう。

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