カタール、ミャンマーで拠点立ち上げ!旅行代理店から外資IT法人営業へ転職した事例
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こんにちは、今回のインタビューイーは新卒で旅行代理店に入社し、カタール、ミャンマーで拠点立ち上げを経験した後、IT法人営業へ転職された方です。
キャリアのポイント:
・強く志望して入った会社ではなかったが自分がやりたいことを強く主張し続け、実行した(海外拠点立ち上げ)
・スキルを活かした転職をした
・人間関係や小さなことで悩んでいない、やりたいことを軸に動いている
・待遇、風通しが共によい傾向にある外資ITへの転職
こんな人に読んで欲しい!
・旅行代理店、旅行業界に興味がある人
・外資ITの法人営業に興味がある人
・海外勤務に興味がある人
- アナウンサーを目指していたが旅行代理店に就職
- 東京、ミャンマー、カタールで法人営業、拠点立ち上げを経験
- 成長性と給与に期待を感じIT業界に転職
- 転職エージェントを活用した転職活動
- 転職後、WEB広告業界の法人営業へ
- 給与水準が高い外資IT法人営業
- 自由度の高い外資ITのカルチャー
- 今後のキャリアプラン
- キャリアを考えている人に向けたアドバイス
- まとめ:
- 外資IT法人営業を含めたおすすめ転職方法
アナウンサーを目指していたが旅行代理店に就職
--最初の会社に入った背景を教えてください。
大学3年から4年の秋までの1年間はアナウンサーになりたくて、マスコミ志望だったので、キー局や準キー局を受けたのですが全部駄目で、気づいた時にはすでに他の大手の企業とか既に採用が終わっていました。
そんな状況下でJICAの青年海外協力隊の内々定はいただいていましたが最終的に某旅行会社の冬の採用試験を受けて某旅行会社に入社をしました。
--何故マスコミ志望だったのですか?
大学2年の頃、アメリカに1か月ほど研修に行き、そこでスポーツの素晴らしさに触れて、スポーツを通じて世界平和に繋げたいと思いました。また、スーパースターだけではなくて埋もれている選手たちのこともメディアを通して発信していきたいと思ったからです。
編集コメント:
マスコミは採用数は非常に少なく、狙ったからと言って出来るものでもないのが現実である
--海外志向が強かったのですか?
そうですね。
もともと海外志向はあったので、マスコミも日本だけじゃなくて海外メディアに興味がありまして、アナウンサー試験で将来やりたいことを聞かれた時に、海外スポーツの実況をしたいと答えていました。
東京、ミャンマー、カタールで法人営業、拠点立ち上げを経験
--旅行会社での業務内容を教えてください。
2009年から2012年までは東京、千葉で法人営業をしていました。
法人営業というのは、海外出張時の航空機チケットやホテル、ポケットWi-Fi、車の手配といったものを企業に売っていく仕事です。
2012年から2017年までの間はミャンマーに赴任しました。
ここでも主に法人営業をしていたのですが、現地法人の立ち上げでしたのでトラブル対応から航空券の仕入れ、値付け、ローカルスタッフのマネジメントまで全部をやっていました。
2017年7月から1年間はカタールのドーハで現地法人の立ち上げをして、ミャンマーと同じようなことをしていました。
カタールでは1人オフィスだったので営業をやりながらホテルやエアラインとの交渉をしたり、現地の日系企業の役員会に参加して情報交換をしたり、あとは大使館とのコネクションを作ったり、銀行にも行っていました。
--ミャンマーやカタールへの赴任の目的は日系企業の出張等のサポートということですか?
そうです。
ミャンマーは2012年の時に日系企業は約70社で、駐在員は1,000人ほどだったのですが、2017年の4月の時点で370社、1,500人ほどに増えていました。
一方、カタールでは企業数が32社で駐在員も800人と少ないマーケットだったので経営が成り立ちませんでした。そこで、スリランカ人を雇ってスリランカのマーケットや、スリランカ人の伝手を使ってインドのマーケットを開拓していました。
--某旅行会社の業務はハードだと聞いたことがあるのですが実際はどうなんでしょうか?
ハードだったと思います。
日本では新人でも終電まで残業している人がいました。
ミャンマーとドーハは立ち上げだったので、休みの日でもトラブル対応のため、頻繁にお客様から電話が来ていました。
某旅行会社は、世間ではブラックと言われていますけど、結構好き勝手にやらせてくれました。
例えばドーハへの赴任は自分で希望して行かせてもらいました。
ドーハでは2022年にワールドカップがあるんです。今は世界体操、来年は世界陸上とスポーツイベントが続くので、それで行かせてもらった感じです。
一方で、某旅行会社は給料が低いので人によっては残業代で儲けている人がいます。
彼らには定時に帰るマインドはなく、今日も夜11時まで頑張ろうという感じで仕事をしていますので、残業時間が一般的に長くなってハードワークというイメージが強いんだと思います。
--きついノルマが課せられていたのですか?
ノルマの数字が現実的ではなく、私はほとんど達成していませんでした。
1年目での月間のノルマ達成率は40%ほどで怒られたこともありましたけど、暴力はありませんでしたし、クビにもなっていません。
--ノルマはみなさん、未達成だったのでしょうか?
先輩からダミーで出して達成したと報告している人がいるという話を聞いたことがありますが、今はシステム化されているのでダミーでの報告は難しいと思います。
旅行会社はウェブの台頭によって需要が減ってきているので仕方ないと思いますけどね。
--転職したのはいつですか?
今年の9月です。
成長性と給与に期待を感じIT業界に転職
--旅行会社からIT企業に転職された理由は?
10年半勤めていながら、私はあまり旅行が好きじゃないんです。
あとは今までいろいろなことをやってきたので違う業種がやりたいなと思って転職を決めました。
--IT業界に決めた理由は?
IT業界は日本でこれから伸びしろのある業界だと思っています。
業界は3つ考えていて、IT業界か製造業かコンサルを検討していました。
ITは日本の成長産業だと思っていましたし、コンサルと製造は海外駐在の経験を活かせると思っていました。
製造とコンサルは転職活動がうまくいかず、IT業界がうまくいったということです。
転職エージェントを活用した転職活動
--転職活動の進め方は?
転職エージェントを活用していました。
--どちらの転職エージェントを使ったのですか?
『BIZREACH(ビズリーチ)』、 リクルートエージェント 、Doda、 マイナビエージェント 、JAC、ダイジョブドットコムです。また、LinkedInはもともと持っていたので活用していましたが、最終的に決まったのは外資のITベンチャーに特化したコンサルからの求人で今の会社に入りました。
転職後、WEB広告業界の法人営業へ
--今の会社での業務内容を教えてください。
今の会社はT社という広告主とWebメディアを繋げる世界最大のプラットフォームを持っている会社で法人営業をしています。
--実際に媒体を持っている人に対する営業ということでしょうか?
そうです。
日本の企業は今まで収益をあげていたレコメンドの全部をいきなり置きかえることをリスクに思っているのでなかなか難しいのですが、T社での成功事例を交えてお客様に理解いただけるように営業をしています。
--50万PVで月間収益はどれくらいになるのですか?
単純計算で4万円から5万円ぐらいですね。
--今はなぜバンコクにいらっしゃるのですか?
アジア本社がバンコクなんです。
バンコクに8人ぐらいいて、ここらいろんな国のSMBのマーケットを見ていて、大きなメディアは日本の営業部隊が見ています。
--希望されてバンコクに行ったのですか?
選択肢が日本、アメリカ、バンコクでした。
私の場合、IT経験がなかったので、プライオリティをなんとかして上げるためにバンコクに来ました。ここで経験を積んでから日本に戻るのもいいかなと思っています。
--某旅行会社に対する明確な不満はありましたか?
ありました。
赴任前と赴任後で言っていた給与が全然違いました。
--どういった給与だったのでしょうか?
2017年に通った事業計画上の給与と、僕が帰任をしたタイミングで提示された給与が半分近くまで下がっていました。さすがにこれでは生活ができないと言いました。
2017年4月に帰ってきて、2017年7月から赴任だったのですが、某旅行会社の人事制度上、私の場合、海外経験が長く、日本での勤務年数が短かったので、日本での給与に反映されておらず上がっていませんでした。
ミャンマーは好きではなかったのですが、カタールへの赴任に向けてモチベーションを維持しながら2014年からずっと調べてきていたので、ここで給与の問題で人事から赴任を取り消されてしまったら3年間の努力が水の泡になってしまいます。
なんとか1年間やってきましたが、現実的に収入面は相当機微しかったので、人事に給与が上がらないのであれば辞めるという話をしました。
人事側からはカタールがまだ赤字だったことを理由にNOを突き付けられ、辞めてもらっても構わないという話になりました。人事側としては海外に赴任している身だったので転職活動をしているとは思っていなかったようで、多分、まだ辞めないだろうなと思っていたようです。
一方で私はスカイプを活用して転職活動をしていましたから、そこで辞めると言って退職届を出して1か月後に退職をしたという形です。
--具体的にどのような給与だったのですか?
1年目は手取りで20万円ぐらいでした。
2012年からは住居費は会社負担で、ミャンマーの物価で2000ドルぐらいでした。ドーハは住居費別で4500ドルぐらいという話だったのですが、住居費を併せて2000ドル近くになってしまい、さすがにそれはおかしいでしょうと言いました。
給与水準が高い外資IT法人営業
--こういった経験から転職活動時には給与やキャリアは重視されましたか?
重視しましたね。旅行業務はもう絶対に止めようと思いました笑。
ちなみに当時付き合いのあったカタールの航空会社から来ないかと言われていて、給与の提示が年収で750万円前後で、福利厚生も魅力的でしたが、旅行業とか代理店業というのは薄利多売の世界で給与が安いなと思ったので別業界にしようと思いました。
-- T社での給料はどうですか?
高いです。ただバンコクはそんなに高くないです。
--日本だと高いのですか?
日本に異動したら高いです。私の場合、バンコクの現地採用という枠なので、ジョブジョブローテーションで日本に異動できれば日本の給与になるのでだいぶ高くなると思います。
--日本の給料の目安ってどれくらいでしょうか?
日本だと、私の年齢でITだと800万円から1000万円はいくと言っていました。
航空会社でも750万円という提示なのでもうちょっとここで頑張ってみようかなと思っています。
--バンコク給与だと具体的には日本の給与の半分ぐらいになるのでしょうか?
半分ではなくて70%ぐらいになります。
今の住まいはいい場所です。10万円出せば60平米くらいのところを借りられます。
今の住まいは12万円ぐらいですけど、23階に住んでいて、サービスレジデンスなので週に3回、お掃除屋さんが来るし、シーツも交換してもらえます。しかも家具付きで、プールもあります。
ミャンマーやドーハではローカルアパートが大変だったので、この1年はいい生活をして、生活に馴染もうかなと思っています。
自由度の高い外資ITのカルチャー
--住居以外の変化はありましたか?
一番の変化は最初の日にスーツで来ないでくれと言われたので、仕事の服装がジーパン、Tシャツになったことですね。
--みんなTシャツ、ジーパンですか?
サンダル、短パンで来ている人もいます。
商談はテレビ会議で行うのですが、上半身しか映らないので下は別になんでも大丈夫という人もいるくらいですし、先方も同じような感じで、先方もだいぶ緩い服装です。
--業務は日本語なのでしょうか?
ミーティングは日本人なので日本語ですけど、仕事は全部英語です。韓国人、中国人、アメリカ、イギリス、南アフリカ、オーストラリアから来ているので全部英語です。
--今の会社で気に入っている部分はどちらでしょうか?
優秀な人材が多いところです。
--多くの人たちはIT系出身者なのですか?
そうですね。今、1000人の従業員のうち500人以上がエンジニアです。
先日、世界中で入社したメンバーを集めて研修会をやったのですが、来ていたメンバーは Facebook、Amazon、Google出身者でしたし、アゼルバイジャンの方で7ヶ国語喋れる化け物みたいな方もいました。
某旅行会社はグローバルとは言いながらもこてこての日系企業でしたから そう考えたら今の環境はすごくいい環境だなという感じがします。
今後のキャリアプラン
--今後のプランはありますか?
1年、バンコクで働いてから帰るという流れで考えています。
日本に行くタイミングで日本での給与を見て、その時も航空会社がオファーをくれていればそこの給与と、今のうちの会社の給与を比較して検討していきたいと思います。
--航空会社はまだ検討をされているのですか?
そうですね。もともとカタールは好きで行ったし、ありがたいことに航空会社からはオファーをいただいていて、日本に来たら是非寄っていってほしいとも言われています。航空会社に入ってしまえば今後も安泰ですしね。
ドーハに3年か5年はいるだろうかなと思っていながら1年後に東南アジアで働いているわけですから1年後、2年後に何が起こるかは本当にわからないかなと思っています。
今の会社は私も気に入っている会社なので、今の会社で言うならば日本マーケットに戻るか、もっと語学力をつけて他のカントリーマネージャーとして移るかという選択肢もあります。
--カタールがお好きなのは何故ですか?
カタールは町がコンパクトで治安も良くて洗練されていますし、スポーツの国でもあるので、スポーツイベントが数多く開催されているからです。
キャリアを考えている人に向けたアドバイス
--これまでのご経験を踏まえてこの記事をご覧になるみなさまにアドバイスをお願いします。
学生であれば新卒で入った会社がベースになってきますので、どの協会に入りたいか、どの業界で将来的にやっていくのかをよく考えた方がいいと思います。
私は何も知らずに旅行会社に入り、旅行会社から転職する時に、他業界への転職は難しいと言われました。だから、まず最初にどういう業界で、今後一生やっていきたいかをしっかり考えて、その業界が給与がどのくらいを調べた方がいいと思います。
出身大学とか出身企業で、履歴書だけで見るのが日系企業です。履歴書の内容を見て、これまでの経験を見て判断するのは外資だと思います。
編集コメント:やや端的な表現です。日系は日本の大学や社名をよく知っているという点があるからこそこだわりが強いと解釈してよいでしょう。米系企業も強烈に学歴社会です。
もちろんメガの外資は大学名にこだわるかもしれませんが、一般的に外資の企業は学歴というのは個々のこれまでのパーソナリティを見て判断すると思いますので、30で転職を考えているのであれば、入社してから何をやってきたか、どういう力をつけておきたいのかというのをイメージしておくといいと思います。
また日本の報道というのは情報が偏っていて、BBCの報道をそのまま翻訳して流しているというケースも多いです。なので、自分の目でものを見る、見て、調べて、自分でものを考える力を養った方がいいと思います。
まとめ:
旅行代理店業はキツイ!
インタビュー中にも登場しましたが、旅行代理店というのは業界として全体的に先行きが暗く収益の低下が続いております。当然、給与も低い状態にならざるを得ません。
単純に旅行が好きだから、という程度で就職を考えるのはおすすめしません。
外資IT法人営業は自由度・待遇ともによい傾向
ITは成長産業であり、また若手が中心となるため風通しがよい傾向にあります。
相対的にWEB系と言われるBtoCのITよりもBtoBのITが給与が高い傾向にもあり本メディアでも強く、外資IT法人営業をおすすめしております。
外資IT法人営業を含めたおすすめ転職方法
今回の方もエージェントを活用されておりましたね。私がおすすめする転職エージェントの使い方は二段階です。
1. リクルートエージェント 、Doda、 マイナビエージェント 、パソナキャリアに登録し求人を見る
ここは求人数がとにかく多い大手エージェントに登録し、どのような求人があるのか広く見るためです。
今回の方も最初はとにかくエージェントに会ったり転職サイトを見るなど情報収集および自分に会うエージェントを見つけることをおすすめしていますよね。
まず大手4社は登録することを強くおすすめします。
2.『BIZREACH(ビズリーチ)』で会うエージェントを選び質の高いエージェントと会う
自分がエージェントに求めるものがはっきりしてきたら、徐々に専門性の高いエージェントに会うのもよいでしょう。
外資系を見たいならJACは求人数を多く確保しています。