コンサルタントの業務・仕事内容、身につくスキル、魅力
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こんにちは、今回はそもそもコンサルティングとはどのような仕事なのか?毎日どのような仕事にそれぞれのコンサルタントが取り組むのか、について具体的に解説致します。
- コンサルティング業界の仕組み
- 何故コンサルに依頼をするのか
- 仕事内容
- プロジェクトの進み方
- コンサルに向いている人
- やはり忙しい!コンサルタントは激務
- コンサルタントの仕事内容
- 身につくスキル
- コンサルタントとして働く魅力
- コンサルになりたい人へおすすめの転職方法
コンサルティング業界の仕組み
コンサルタント自身の仕事内容の前にまず業界・業務の仕組み、ビジネスモデルについて説明します。
クライアントである事業会社(プロフェッショナルファーム(弁護士・投資銀行・コンサルティング等)以外の会社をコンサルティング業界では事業会社と呼びます)は常に何かしらの課題を持っています。
例えば以下のようなものです。
・既存事業の収益性が長期的には悪化することが予想されており、現在ある豊富な投資余力を積極的に使い次なる収益の柱を作りたい
・買収後、会計・管理体制を整備するためのシステム導入を行いたい
・全国に150ある営業拠点の効率を上げ、売上の向上につなげたい
・給与・評価制度を整備し、社員から不満が少なくモチベーション向上につながりやすい制度を設計したい
この課題解決が社内のリソースを使っては手に負えなくなったときにコンサルティングファームに課題解決を依頼する、というのが大雑把にコンサルティングファームが提供しているサービスです。
何故コンサルに依頼をするのか
多くの人が持つ疑問ですが、これは主に3つの理由があると思います。
専門家が社内にいない
IT、人事、M&Aなど高度な専門性が求められる場合は特に分かりやすいですね。
やったことがある人が社内にいない、だから経験豊富な専門家に依頼するというニーズです。
私がファーム入社前に疑問を持っていたのは「考える」が主な業務である戦略案件を何故ファームに依頼するのか、という点です。
企業は戦略を考える機能を持っていないはずがありません、経営企画部というのはその役割を担っていると考えていました。
ただ実際は違います。本格的な大型投資、新規参入の戦略というのは実際には高度な専門知識と経験がないと経営層を納得させる計画を書ききることが出来ません。
本で読んだだけでは本格的な競争戦略、市場に対する予測、KPI設計、段階的な投資戦略など作ることは困難です。
やってみたとしても戦略の専門家と比較するとアウトプットは真似事程度であり、経営層を納得させることはかなり難しいことが多いです。
戦略担当のコンサルタントは事業会社では10年に一度しか作成しないような戦略構築を数年間も専門としてやっているわけですからアウトプットには大きな差があります。
数年間、大型投資なら10年以上に渡り重要な意思決定の際に専門家の助けを借りたいと思うのは経営層なら当然かと思います。
それでは経営企画部なるものは何をしているのか、と疑問に持たれると思います。
かなり多いのが悲しいことに社内調整業務。
経営企画部には社内において権限が低く、実際の意思決定はセールスが強いなら営業系の部署、技術なら技術系の部署となっている場合が多いです。
そうすると経営企画部の業務は社内調整、コンサルのディレクション、経営層向けの簡単な調査、各部署からの情報を取りまとめ整理、という役割を担うことが多く本格的な戦略構築のスキルを養う機会がありません。
元コンサルや元投資銀行社員を採用し、社内でM&Aや戦略構築の機能を内製している事業会社もありますがかなり少数派です。
手が足りない
経営企画部に何故コンサルに発注するのか、と聞くと自分で専門性がないというのは恥ずかしいということもあってかこの理由が挙げられる機会が多いですね。
課題がない企業というのは存在しません、課題がないならやる気がないです笑。
特に経営層が高い目標を持っている場合は課題が山積みで社内だけでやりきることが難しいです。また課題のボリュームは時期によって大きく変動します。
そうすると、このために正社員を採用し社内で育成するというのは割高になってしまいます。それなら非常勤・常に調達出来るリソースとしてコンサルティングファームを見るようになります。故に「手が足りないから発注」が起きます。
ネームバリュー・ブランドを効かせ第三者の意見を言って欲しい
社内においては例えば経営企画部の意見が通りづらい、営業と技術が対立し関係調整が難しい、大胆なコスト削減案の責任を一定程度転嫁したい、というような理由でブランドがある第三者としてのコンサルティングファーム活用はあります。
〇〇が言っている、というと意見が社内の誰かが言っているよりも通りやすい場合があるのですね。
こちらの記事でも説明しましたが、コンサルの使命とは企業を動かすことです。
提案を作ること自体ではありません。この企業を動かすプロフェッショナル、としてはブランドの効果も含まれるわけです。
以上が事業会社がコンサルに発注をする主な理由です。
仕事内容
さて、上のサービスを会社として提供するために各コンサルタントの仕事内容を見ていきましょう。職位別に説明します。
職位と仕事内容
簡単に説明すると職位と仕事内容は以下のような分類です。ファームによって呼び名はやや異なります。
パートナー:仕事を取ることが最重要の仕事です。経営層になんとかアプローチし、関係値を構築、プロジェクトを発生させる役割。太い顧客が複数いないと不安定になる。
マネージャー:仕事を回す。多くの場合は特定のパートナーと蜜月の関係にある。パートナーも取ったら回す人が必要なので相互依存。
コンサルタント・アソシエイト・アナリスト:マネージャーの指示の下、手を動かしアウトプットを作成することが仕事です。中途・新卒で入社したらまずここから。
ピラミッド構造なので上に行くほど人数が少なくなり、また給与が高くなります。
マネージャーについてはクライアント・パートナーと常にコミュニケーションを取りながら下の職位のディレクションをする役割にあたり、プロジェクトが発生するとマネージャーがアウトプットを作成するには最重要職位といえるでしょう。
パートナーからの意見もありますが、無視したりする場合もよくあります笑。
プロジェクトのアウトプットにどの程度介入するかはパートナーによって異なります。放置する人もいれば(クオリティコントロールもパートナーの仕事ですが)、詳細に介入する人もいます。
パワポ・エクセルなどコンサルの仕事で想像されることが多い業務はコンサルタント・アソシエイト・アナリストが担います。
この職位の仕事は情報収集→分析→まとめ、と三段階に分けることが出来ます。
情報収集
マーケットレポート、クライアント社内データ、社内・社外へのインタビュー、業界データベース、本、WEB、IR資料などが主な情報源となります。一つの情報ソースでプロジェクトを回せるケースはほぼなく、散在した情報源からまとめなおす必要があります。
ちなみに情報の価格はマーケットレポートは30~60万円程度、財務情報をまとめたSPEEDAはアカウント数によりますが月額15~30万円程度、エキスパートインタビューと呼ばれる業界人へのインタビューは仲介会社へのフィーも含め1時間約10万円です。
マクロミルなどを使ってフォーカスグループインタビューをすると8人程度でも200万円くらいはかかりますね。
個人的な感覚からすると高いと思うかと思いますが、コンサルティングファームはプロジェクトのフィーとして数千万から数億もらっていますし、上の額はプロジェクトフィーとしてクライアントに請求し処理される場合もあります。
この業界人へのインタビューは入社して特に驚きました。
クライアント企業の競合会社の元CEOにインタビューなんてのも可能です(職業倫理的にグレー)。
分析
さて、情報を集め整理したら分析し提案にする必要があります。
ここでエクセル、ロジカルシンキング、フレームワークの登場となります。
*ロジカルシンキングとは個人的には変なことを言わないというだけで名前を付けるほどのスキルではない、とは思いますが。
エクセルについてはこちらの記事をご参照下さい
空雨傘という考え方が私は好きで、基本話すときはこれを意識しています。
空(ファクト・データ):空が暗い
雨(意味合い・インサイト):今までの経験からすると雨が降る確率が高い
傘(提案):だから傘を持っていきなさい
このセットです。どれかが欠けてもロジカル(雨傘だけで空がない)でない、もしくは意味がない話し(傘がない)になります。
まとめ・コミュニケーション
クライアントに対する提案は口頭で話すだけではもちろん駄目です。
パワポ資料にまとめなければなりません。
コンサルがここまでパワポを重視する理由ですが、2つあります。
1つはパワポがコンサルのアウトプット(納品物)として扱われるためです。クライアント社内で「結局何に金を払ったのか」という話しになったときの仕事した証拠がこれです。クライアント内にはコンサルと直接接触することなくパワポ資料だけを見る社員・役員も多くおります。その際にはパワポ資料だけで評価されるので気が抜けないのです。
もう1つはコンサルの仕事は企業を動かすことだからです。こちらが本筋ですね。
顧客に口頭だけで伝えるよりも整理されたロジック、グラフを使って説明したほうが刺さり、結果として動いてくれるというわけです。やはりビジュアルが与える印象は文言よりも大きく、整理された図・グラフというのは大きな価値を持ちます。
コンサルの方、もしくはコンサル志望の方は相手を動かせるビジュアルを作成出来る能力を磨くとよいでしょう。
ちなみに逆説的ですが、パワポにこだわりすぎるのもよろしくありません。いくら綺麗な図表があっても相手に刺さらなければ意味がありません。
極端に語れば、大きな文字のテキストだけでも相手に刺さればよいのです。そのためには普段からの立ち振舞、ミーティングのタイミング、話す内容、そういった1つ1つのコミュニケーションに気を使う必要があります。
相手に刺さる=パワポ能力ではありません。
これを間違えてしまいパワポ・エクセル能力だけを追求するとスーパーアナリストと揶揄されるようになります。顧客を動かせないがパワポエクセル能力だけやたら高い人をこう呼びます。出世出来ません、気をつけましょう。
プロジェクトの進み方
典型的なプロジェクトの進み方について解説します。
ファームによりますが戦略系や業務系のプロジェクトは1単位おおよそ2-4ヶ月、IT系では数年に渡るものもあります。IT系では常駐のプロジェクトも多く存在します。
ここでは戦略系を例にとって説明します。
まずパートナーが仕事を取りに行きます。マネージャー陣と協力しながら提案資料を作成(これも一大仕事です)しクライアントに継続的にぶつけに行く。
これがパートナーの本業です。コンサルファームに入ったとき「パートナーも大したことないな?」とか調子に乗っていましたが今になって思うとファームの社員を継続的に食わせるよう、安定的に受注を入れるのはなかなかの営業スキルです。一周回って尊敬しています笑
プロジェクトが発生するとマネージャーがまずアサインされ、マネージャーがプロジェクト用のアソシエイト・コンサルタント・アナリスト(以下まとめてアソシエイトと呼びます)を選びます。
ちなみにここで選ばれないとアベイラブル(未可動)と呼ばれ、社内失業状態になります。このアベイラブルが続くと自主退職していきます。
これは1年目でも発生することで数ヶ月アベイラブルになり退職した同期もいました、恐ろしい。
アサインされると晴れてパートナー・マネージャー・アソシエイトという3段組が完成しプロジェクトを実行していくことになります。
上の仕事内容で解説したような仕事となり最終的な納品(デリバリー)まで持っていきます。
デリバリーは単純な納品ではなく特にパートナーにとっては次なる営業機会であることも意味します。
御社はこうすべきです、の中には次にはこれを検討するべきでしょう、も含まれるのです。
コンサルに向いている人
こちらの記事で詳しく解説しました。
人間的魅力・チャーム
肉体的・知的体力
知的好奇心・成長意欲
専門性の追求
時代を読む力
という5つの素質と持つべきマインドセットについて解説しております。
やはり忙しい!コンサルタントは激務
コンサルタントは大変に忙しい仕事です。
これは何故か解説しましょう。3つあります。
コンサルは業務委託産業
期日までに納品物を約束し、月あたりの労働をクライアントに売るというビジネスモデルである以上クライアントは定められた期間内に死ぬほど働いて欲しいと自然と考えます。悪意があるわけではなく最小限の金額で最大限のアウトプットを求めるなら必然的にこうなります。
すると「明日の経営会議で使いたいから、これをお願いできないか」など無理な依頼もやはり来ます。そしてパートナーは営業マンであり実務担当ではないので無理な依頼も受けてしまいます。
ITの受託開発会社が激務になり、営業と技術が対立するのと似ている構造が発生しているということです。
プロフェッショナルファームという業界風土
コンサルティング業界は高単価かつ激しい競争にさらされている業界ゆえ、厳しい責任と姿勢を求められる業界風土があります。
例えば若造1名月400万円とか請求するわけです。そうするとクライアントから「俺の年収とこいつの月額同じかよ」と見られます。そこで普通の人でも出来そうなアウトプットを出そうものなら即契約解除されます。
低参入障壁のビジネスモデル
さらにコンサルティングはコモディティです。身1つで誰でも参入出来てしまう低参入障壁でありあまり美味いビジネスモデルとは言えません。
そうすると最後は労働時間と気合で勝ち切るしかないのです。そうしないと競合に負けますから。
それに対してgoogleのような鉄壁のビジネスモデルを作ることが出来た企業は高給ですが、ホワイト労働を実現出来ます。
このようにコンサルティング業界は誰のせいでもなく構造的に激務になるのです。
コンサルタントの仕事内容
ここでアソシエイトの1日例を見てみましょう。
9:00:出勤、チームルームへ向かい昨晩作成した資料のレビューを受けマネージャーから次なる指示を受ける
*出勤時間はプロジェクト・チームによって変化します
10:00-12:00:資料修正および次に受けたタスクのためにインタビューをセット
12:00:デスクで出前ランチ
*ゆっくり40-60分ランチなんてほぼありません。私のコンサル時代の食事の記憶はほぼコンビニとデスクです
12:00-14:00:海外エキスパートとのインタビューを開始、議事録を取りチームと共有
14:00-14:30:クライアントの元へタクシーで移動、移動中も資料を修正
14:30-16:30:クライアントとのミーティング、安心していたら翌日の経営層報告へ向けて追加要望を多く受ける
16:30-17:00:オフィスへ帰る。タクシー内で次へのタスクを議論
17:00-27:00:クライアントからの指摘箇所をチームで修正、マネージャー含めた全員が午前コース
28:00-:仮眠とシャワーのため解散、翌朝は最終確認のため8:00AM出勤の指示を受ける
よくある忙しい1日です。毎日これだと死にますがよくあります。
イメージとして一日の労働時間は以下の通りの分布です。
20%多忙モード:18時間
70%通常運転:14時間
10%暇なとき:10時間
11-12時くらいの帰宅で普通かな、という感覚で2-3時まで働くのは相当忙しいときです。
インフラや製薬など予算が豊富にあるインダストリーでは比較的プロジェクトは楽で製造系が予算が限られてるため概してきつめです。
身につくスキル
コンサルティングはハードであるゆえ、様々な能力を身につけることが可能です。
問題解決能力
漢字で書くとたいそうなスキルのように見えますが、簡単に言えば「いい感じに進める能力」です笑。
ゴールがある、ゴールがあって現状がありそこには差分がある。
差分を埋めることが「課題」と定義される。
課題を解決するために必要な情報を把握・収集しつなげ合わせ課題解決に向けた案を作成する。
関係者を納得させ各員に期日とアウトプットを設定し進行。
想定外のことや新情報が発生したら軌道修正しゴールに向けて進行を続ける。
こういったもののセットが問題解決能力だと私は考えています。
この能力は事業会社に行こうが、プライベートだろうが、起業しようが汎用的に使える能力です。
同時にこの汎用的な能力はいわば基礎体力作りの筋トレです。
本番の試合(実業)では基礎体力に加え高度な専門性が必要となります。
若手コンサルタントが様々な業界へ転職しやすいのはこの基礎体力が評価されているからです。逆に30歳以上になってもアピール内容が基礎体力しかないとパンチに欠けます。
これに加え高度な専門性があるとよいキャリアになるでしょう。
プロフェッショナリズム
若手のコンサルが評価されるのは問題解決能力ではなく業界ならではの高いプロフェッショナリズムも一員です。
こちらもどのような会社でも活きる能力です。期日までには死んでもアウトプットを責任を持って出すという習慣は一生モノです。
パワポ・エクセル
いろいろと揶揄されますが、やはり役に立ちます。
定量分析が出来、整理されたプレゼンを出来る人は驚くほど少ないです。
私の感覚だと社会人の1%程度でしょう。
体力
体力には二面あります。
まずは長時間労働に耐える肉体体力、そして長時間考え続ける知的体力。
コンサルにしばらくいると一日14時間くらい働くことには慣れきるために、どこに行ってもホワイト職場に感じると思います。
時に発生する徹夜もコンサル時代からすると大したことではありません。
コンサルタントとして働く魅力
仕事自体が楽しい
戦略系であれば例えば、比較的高い給与をもらいながら普通はアクセスできない情報ソースにアクセスし、東証一部上場クラスの社長・経営陣とディスカッションし、大きなストーリーを書いていく、というのは仕事内容自体魅力的です。
実際に入社1週間からこれが出来る。一般的な事業会社では考えられないことです。
ベイカレントコンサルティングの宮崎さんもこのやりがいについて語っておりました。
特別採用ルートを設置!ベイカレントコンサルティングが未経験者を積極採用
スキルが身につく
厳しい世界であるゆえに、スキル・専門性を磨かないと生き残っていけません。
現在勤務していて成長している実感がない、という方には最適な業界と言えます。
出世が早く・比較的高給
外資系では2-3年毎に出世することが求められます。
順調に出世していくと職位毎に異なるスキルを求められ退屈しませんし、給与も数百万単位で上がっていきます。このスピード感があるキャリアは一般の事業会社では期待出来ませんね。
給与についての詳細はこちらを御覧ください。
*実際に明示的にクビになるケースは稀です。
ポストコンサル転職には幅がある
ポストコンサル(コンサルからの転職)の幅は他ファームに移る以外にもファンド、事業会社シニアポジション、ベンチャー役員など魅力的なキャリアが豊富にあります。
この幅もコンサルならではの魅力です。
コンサルタントは一生コンサルという人は非常に稀ですのでいつかは業界からEXITすることになります。
詳細の割合や各進路の特徴は以下の記事で解説しました。
コンサルになりたい人へおすすめの転職方法
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