転職前に知りたい!ATカーニーの会社概要
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本日は戦略コンサルティングファーム、ATカーニーについての会社概要・基礎知識を解説します!
会社概要
シカゴを拠点とし、40か国、約60の拠点でビジネスを展開するグローバルファームです。従業員は3,600名以上存在し、日本オフィスにも100~200名程度が在籍しています。
古くから「目に見える成果の実現」を標榜し、オペレーションに強いファームとして有名ですが、戦略プロジェクトも多く、直近ではデータアナリティクスの企業を買収するなど、デジタルにも力を入れています。
また日本オフィスはグローバルの中でも戦略プロジェクトの比率が高いオフィスとなっており、日本のグローバル企業の多くがクライアントとなっています。
沿革
ATカーニーは、マッキンゼー(当時の名称はマッキンゼー・ウェリントン&カンパニー)のパートナーだったアンドリュー・トーマス・カーニーによって、1939年に分社化の形で設立されました。設立されたカーニー&カンパニーは「協調性」「多様性」「誠実性」を指針とし、目に見える成果にこだわるファームとして独自路線を築いていきました。当時のDNAは現在のATカーニーにも引き継がれており、顧客と協働して価値を生み出すことを得意とするファームとなっています。
ATカーニーがグローバル展開を開始したのは1964年で、米国外の最初のオフィスはドイツに設立されました。その後アジア初のオフィスとして、東京オフィスが1972年に設立されました。
組織
ATカーニーの組織は、業界プラクティス×サービスプラクティスのマトリックス組織になっており、プロジェクトごとにプラクティスが協力してソリューションを提供します。例えば消費財メーカーが企業買収(M&A)を仕掛けるといった場合には、業界プラクティスの「消費財&小売」とサービスプラクティスの「M&A」がチームを組んで課題解決に当たるといったイメージです。
専門チーム・研究活動のことを「プラクティス」と呼びます!ジュニア時代は固定されませんが、徐々に専門性を上げていくのがコンサルタントの一般的なキャリアです
ATカーニーの業界プラクティスは「航空&防衛」「自動車」「化学」「通信・メディア&テクノロジー」「消費財&小売金融機関」「ヘルスケア」「インダストリアル・グッズ&サービス」「金属&鉱業」「石油&ガス」「プライベートエクイティ」「公共部門」「輸送、旅行&インフラストラクチュア」「電気・ガス・水道」の14個に分かれます。
日本オフィスにおいてメディアへの露出が多いのは、「自動車」「通信・メディア&テクノロジー」「電気・ガス」などですが、クールジャパンで知られる梅澤会長や、宇宙産業のオピニオンリーダーとなっている石田プリンシパルなど、業界プラクティスに縛られない活動をしているコンサルタントも多々存在しています。
一方、ATカーニーのサービスプラクティスは
「アナリティクス」「イノベーション」「マーケティング&セールス」「M&A」「オペレーション」「組織&改革」「調達」「戦略IT」「戦略」「サステナビリティ」
の10個に分かれます。
ただし日本オフィスの場合、「アナリティクス」や「M&A」、「オペレーション」等の機能を除いては、業界プラクティスのリーダーが兼務しているケースが多いです。
これは日本オフィスの場合、産業ごとの特性の違いに合わせたコンサルティングを提供する必要があり、横串で「マーケティング&セールス」や「戦略」を持つよりも、各業界プラクティス内にそうした機能を持つ方が効果的だと考えられることに起因します。
なおATカーニーが強みを持つ領域の一つがコストカットです。
コストカットというと、人員削減や無駄の削減がイメージされますが、A.T.カーニーでは製品における部品の共通化の検討なども扱っており、サービスの幅の広さに定評があります。
また実際にコストカットを進める際には、顧客と議論を重ねて無理のない実行計画を作ると同時に、顧客自身が継続的にコストカットを実現できるよう、テーラーメードで調達組織を立ち上げるよう支援します。顧客と協働して成果を実現することを重視してきたカーニーならではの強みと言えるのではないでしょうか。
キャリアパス
ATカーニーには下記の6つのポジションが存在します。未経験・MBA未所持の場合、ビジネスアナリストかシニアビジネスアナリストでのスタートとなりますが、ビジネスアナリストでも自分のパートを与えられてプレゼンまでこなすことを求められるのが特徴と言えます。
パートナー:
共同経営者であり、各クライアントに対する最終責任者です。プロジェクト機会の創出、プロジェクト提案及びデリバリーの全ての責任を持ちます。また各地域オフィスの経営を担うほか、グローバルボードに選ばれた場合はグローバルでの経営に関与します。
プリンシパル:
将来のパートナー候補として、パートナー業務の一部を担います。複数のクライアントを持ち、プロジェクトの提案とデリバリーを同時並行で進めます。また地域オフィスの経営にも一部関与します。
マネージャー:
各プロジェクトのデリバリーにおける実質的な責任者です。プロジェクトの成功に向けた仮説構築、全体設計、進捗管理などを行うと同時に、クライアントの窓口となって日々の議論をリードします。基本的には1つのプロジェクトに100%コミットしますが、プリンシパルに向けてアカウント顧客の拡大を目指すフェーズになると、50%コミットで2プロジェクトを同時進行することもあります。またジュニアメンバーの育成も業務の一つであり、OJTでの育成計画の策定・実行も担います。
アソシエイト:
各プロジェクトにおいて重要なパートの分析・実行を担いつつ、マネージャーを補佐します。そのため大規模なプロジェクトではサブモジュールのリーダーとなることも多いです。逆に小規模なプロジェクトでは実質的にリーダーを担うことがあるほか、マネージャーを目指すタイミングでは、シニアメンバーのサポートを受けつつマネージャーの役割をこなします。
シニアビジネスアナリスト:
一部のパートを任され、仮説構築から分析・プレゼンまでを一貫して行います。そのため自分のパートであれば、クライアントと1対1で議論するような場面もあります。アソシエイトに向けては、徐々に任されるパートのサイズや数が増えていきます。
ビジネスアナリスト:
最初はマネージャーの指示のもとで分析を行いますが、徐々に仮説構築やプレゼンを任されるようになります。シニアビジネスアナリストに上がるタイミングでは、小さなパートであれば仮説構築からプレゼンまで一人でできることが求められます。
昇進スピードはビジネスアナリスト~マネージャーと、マネージャー以降で少し異なります。
ビジネスアナリスト~マネージャーは1.5年~2.5年での昇進が多く、クライアントを作る必要があるマネージャー以降ではもう少し長いスパンをかけて昇進することが多いです。
ただATカーニーの育成哲学として、「人によって成長カーブは大きく異なる」というものがあるため、昇進が遅いコンサルタントに対しても、積極的にサポートをしていく仕組みがあります。そのためビジネスアナリストの8~9割は昇進してシニアビジネスアナリストになります。一方シニアビジネスアナリストは転職機会にも恵まれるため、昇進を待たずして転職する人も多く3~4割が昇進、アソシエイトも同様に3~4割が昇進といったイメージになります。マネージャー以降は選択肢がかなり広がることもあり、プリンシパルへの昇進を選ぶのは1~2割程度になります。
公開されているプロジェクト
コンサルティングファームのプロジェクトは、顧客との守秘契約によって公にならないものが多いのですが、顧客名を伏せたケーススタディや官公庁向けのプロジェクトなど、詳細を見ることができるものもあります。特に官公庁向けのプロジェクトでは、最終報告書がWeb上にアップされていますので、見てみると面白いかもしれません。
事例①:日本の自動車部品メーカーの欧州企業買収と買収後の統合支援
日本の自動車部品メーカーが欧州の自動車OEMとの取引拡大に向けてM&Aを実行した際に、企業価値の評価から、買収後の統合までを支援した事例です。
日欧でチームを組み、事業計画は適正か、どんなシナジーが見込まれるか、買収後はどのようにガバナンスしていくべきかなどを計画し、実行を支援しました。
ATカーニーのプロジェクト事例の一覧はこちら
http://www.atkearney.co.jp/mergers-acquisitions/case-studies
事例②:経産省の石油化学産業の市場構造に関する調査
経産省が、石油化学産業の競争力強化に向け、石油化学製品の需要と供給について調査した際に、委託を受けて支援した事例です。
ATカーニーは世界の石油化学産業のトレンドや需給予測を行って提言をし、最終的には石油化学プラントの統廃合に向けた動きを加速させました。
経産省向けには他にも、リスクマネー供給に関する調査やクールジャパン関連の調査、電力自由化に関する調査、電気自動車に関する調査などを行っています。
ATカーニーの官庁案件の一覧はこちら
書籍
ATカーニーが出版しているシリーズが、『最強のxx』シリーズです。これまでに「シナリオプランニング」、「営業戦略」、「調達戦略」、「業務改革」、「コスト削減」の5シリーズが出版されています。オペレーションに強いA.T.カーニーの英知が詰まったシリーズで、特に調達戦略などは大企業でも広く読まれています。
各コンサルタントの出している本で有名なものとしては、通信の吉川パートナーの「ガラパゴス化する日本」や石田プリンシパルの「宇宙ビジネス入門」、杉野マネージャーの「超・箇条書き」などが存在します。
求められる人物像
上でも触れましたが、ATカーニーは「協調性」「多様性」「誠実性」を大切にし、顧客との協働によって新たな価値を生み出すことを重視してきたファームです。そのため、地頭の良さももちろん求められますが、柔軟に物事を考えられる頭の柔らかさや、相談したくなるような人当たりの良さも同時に求められます。また誠実性という観点から、クライアントを第一に考え、責任感をもって業務にあたることのできることも必須になります。これらの条件さえ求めていれば、後はどんな人にも門戸を開いており、結果として多様性が担保されています。
社員紹介
既に触れてきたように、ATカーニーには多様なコンサルタントが在籍していますが、その中でも変わった経歴の社員をご紹介します。
梅澤会長:東京大学卒業後、日産に就職。その後MITにてMBAを取得し、ATカーニーアメリカに勤務。その後日本に移籍し、ユニットヘッドを経て会長職となっています。現在、クールジャパン機構社外取締役、NeXTOKYOプロジェクトリーダー、WBSコメンテーター、Jリーグアドバイザーなど、幅広く日本のカルチャー分野を支援しています。
石田プリンシパル:東京大学卒業後、ATカーニーに新卒で入社。ハイテクや自動車を中心にコンサルティングを行う中、独学で宇宙について勉強し、GoogleによるSpace XのHakutoチームにも参加。現在では宇宙政策委員会の委員を務めています。
杉野マネージャー:東京大学卒業後、NTTドコモに就職。その後A.T.カーニーに転職し、INSEADのMBA、早稲田大学商学部の博士課程を修了。現在では東京農工大学の特任教授を務めつつ、ATカーニーでのコンサルティング業務も行っています。
研修
ATカーニーにはグローバル研修とリージョナル研修の2種類があります。リージョナル研修はプレゼンや分析などスキルが中心ですが、グローバル研修はヒューマンスキルよりのものも多々あります。
特にマネージャー・プリンシパル・パートナーへの昇進を目指すコンサルタントは、グローバル研修で他のオフィスのコンサルタントと交流しつつ、ヒューマンスキルの向上を目指します。
面接・選考
ATカーニーの面接は一般的な面接とケース面接の2つです。一般的な面接では、過去の経験や将来目指すものなどについて聞かれますが、コンサルティングさながら、かなり深く掘り下げられます。そうした中で、本当に自分の言葉で話せているか、論理立った話を展開できているかなどが見られます。ケース面接では、コンサルタントによって様々なお題が出されますが、いずれも自分の頭で深く考えて、議論の中で仮説を進歩させられるかが見られています。
また選考の過程では、面接以外にテストや英語のチェック、パーソナリティ診断などもあります。これはどちらかといえば、最低限のラインをクリアできるかという観点からみているようです。
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2.『BIZREACH(ビズリーチ)』で会うエージェントを選び質の高いエージェントと会う
自分がエージェントに求めるものがはっきりしてきたら、徐々に専門性の高いエージェントに会うのもよいでしょう。ATカーニーに応募したい場合はATカーニーへの転職支援実績・コンサル業界への知見があるかが重要です!
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