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日本酒は古典じゃない、パンクだ!

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こんにちは、日本酒ラバーのシャイニング丸の内です。最近日本酒を消費者としてのみならず、市場として見てみると面白い動向がいくつか見られたので定量的と感性的に軽く分析してみようと思います。

純米酒は高成長市場

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純米吟醸酒の出荷量、初めて本醸造酒を上回る/17年の日本酒動向|食品産業新聞社ニュースWEB

 まずこちらの表を見てみましょう。

清酒(つまり日本酒)全体は縮小傾向なのは知っての通りですが、その中で市場は二分されております。

製造工程でアルコール添加(アル添)をしている一般種・本醸造、そして米のみから作った純米酒(純米酒、純米吟醸、吟醸)、この2つで分けて考えると混じりっけのある酒である一般種・本醸造は衰退しつつ一方で純米酒は4.9%の成長、特に純米吟醸は7.9%も成長しています。

市場規模自体は小さいものの、8%は低成長社会の日本においては立派な成長率です(参考:ネット広告市場の成長率は10-15%,新聞広告は-5%,ラジオ広告は-10%)。

純米酒は復活しているのではなくて「ニューマーケット」なのではないか

この純米酒の急成長はどのように解釈すればよいのでしょうか。私の見解ですが、見出しの通り、純米酒は復活しているのではなく近年発見された新市場(ニューマーケット)という解釈が出来るのではないでしょうか。

日本酒は極端に純米以外の酒の消費量が減っているため、日本酒が沈む中一部ブランドが復活しているという印象がありますが、おそらく純米系の酒はそもそも日本酒全体に占める割合が低く、ちょろちょろと生き続けていた市場が品質の向上、流通の発展を経て新たな顧客を捕まえたというのがそのストーリーではないでしょうか。

日本酒を出し始めた飲食の経営者も「最近の日本酒は美味しくなってきている」と語っており、この直感とも合います。

データはこれからも収集していきますが、私の直感では純米系の日本酒が好きな人はワイン消費のニーズと重なり、醸造酒ならではの個性とストーリーを酒に求めたい人が楽しんでいる気がします。ワンカップ大関や紙パック酒とは全く異なる市場です。

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http://www.dbj.jp/pdf/investigate/etc/pdf/book1309_02

 参考に、国税庁の資料を見ると単式蒸留焼酎(図表2-2中の紫色です)、一般的に「本格焼酎」と言われるものは1980年頃に発見され、以降、消費量が単調増加しています。

本格焼酎は復活したわけではありません、実はニューマーケットだったのです。

純米酒については長期に渡る推移のデータが見当たらなかったのですが、同じような現象なのではないでしょうか。清酒というワンカップ大関、紙パック酒市場は市場からの支持を失い急落したが、高品質の純米酒は市場から発見され、支持を着実に拡大してきているという成長ではないでしょうか。

純米酒を飲むことは「クール」だ

ここで私は妖怪ウォッチについて、とあるアラサーが語っていたことを思い出しました。

「ポケモンは俺ら世代のものだ、俺らがポケモンを楽しむ価値体系を完成させてしまったため新たに入る小学生にとっては自分のものにならない。オッサンのものなんだ。

それに対して妖怪ウォッチは自分のものだ、妖怪ウォッチはオッサンのものじゃない、オッサンの価値観に迎合するのは若者にとって文化を創造するオリジナリティを楽しむことが出来ず、クールじゃない。妖怪ウォッチはオッサンのものじゃなかったからよかったんだ

 

なるほど、と思いました。確かにオッサンが完成させた価値観を楽しむのはクラシックではありますが、クールではありません。パンク、ロック、ジャズ、単純に解釈してしまうと若者が生んだカルチャーはクラシックへのカウンターカルチャーとして考えることが出来ます。

ここでは酒文化なので若者とオッサンではなく30-50歳と50-70歳という層に二分して考えると、50-70歳はワンカップ大関、紙パック酒のメインターゲット、これをクラシックと考えるのはやや戸惑いますがクラシックです。30-50歳はこのクラシックに対するカウンターカルチャー、50-70歳が構築出来なかった純米酒を楽しむという価値観を創造しています。

実際に日本酒の消費について見ると消費量は50-70歳が多いですが、単価では20-50代が大きく上回っておりこの層が純米酒の主な消費者と推定されます。

若者にとってはカウンターカルチャーはいつも「クール」です。

純米酒は消費のイノベーターを求めている

私は何かを作ることもオリジナリティの高い行為だと思います。片一方で文化が成長するためには作る人だけでは足りません、豊かに消費(楽しむ)する文化の構築が必要でありここには高いオリジナリティが求められます。

消費を楽しむといえばワイン。それでは美味しいワインはどのように選べばよいのでしょうか?ここにイノベーションをもたらした消費者の一人がロバート・パーカーです。

パーカーはそれまで混沌としたワインの世界に点数を持ち込んだアメリカ人の弁護士です。パーカーはワインに対して100点満点の点数をつけて評価を数値化しました。

もちろんこれはワインがあたかも一次元的に評価されてしまっているという批判は集まりましたが、単純化・近似による数値化は近代科学の基礎とも考えられますしこの点数化によって様々な消費文化が開花しました。

点数化、品評会、ワインイベント、マリアージュの研究・・・様々なものがワインを取り巻いています。つまり豊かなワイン文化が形成されるためには製造では足りません、豊かに楽しむ文化が不可欠です。

ここで求められるのはパーカーのような消費のイノベーターであります。

純米酒はまさにこの消費文化の形成フェーズにいまあるのではないでしょうか。

高品質の日本酒が製造され、流通し始め、その消費文化をまさに作っていこうというのはエキサイティングであり若者のフロンティアスピリッツを刺激します。

このフロンティア感が今若手が日本酒関連市場に流入している背景の一つと言えるのではないでしょうか。

私の知人も何名かこの市場に挑戦しています。

市場規模は大きくないのでベンチャー界隈が好むような派手な成功とは遠いかもしれません。しかし、カウンターカルチャー、オリジナリティの高い消費文化の創造、こういった事業に挑む人らを心から応援したいと思います。グッドラック!

まとめ

・純米酒は復活市場ではなく新市場であり、成長中

・日本酒(純米酒)はクラシックじゃない、パンクだ!

・日本酒市場に挑む人を応援したい、twitterでDMかメール(shiningmaru22@gmail.com)下さい

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